SaaSユーザーの課題と適切なマーケティング手法などに関するアンケート調査【2022年10月実施】

サイトエンジン編集部

2022年10月19日

SaaS運営企業様の集客支援の一環として、サイトエンジン株式会社（以下、サイトエンジン）は、SaaS導入企業様のSaaS導入意思決定関与者421名を対象に、アンケート調査を実施いたしました。

調査の結果から、SaaSの用途や認知のきっかけ、情報収集手段、導入前の検討期間、導入の決め手、導入後の課題などが明らかになりました。また、本記事では今回の調査結果をもとにしたSaaS運営企業様に適切なマーケティング手法を公開しています。

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■調査概要

調査実施期間：2022年10月7日
調査機関：自社調べ（調査ツールFastask使用）
調査方法：インターネット調査
調査対象：企業のSaaS導入・選定の意思決定関与者421名

■調査結果概要

SNSの中でも「YouTube」でSaaSを知った人の割合は65.8％
認知後は49.9％がSaaSの公式サイトから情報収集
導入の決め手は「機能」が56.1％
機能を使いこなせていない企業が39.4％

調査対象企業情報

製造業、卸売業・小売業、サービス業などから、漁業、電気、ガス、熱供給、水道業、宿泊業・飲食店など幅広い業種の企業421社を対象に、SaaS認知のきっかけや運用での課題等についてアンケート調査を行いました。
アンケートに回答いただいた企業の規模と業種の内訳は以下の通りです。

アンケート調査結果

1. バックオフィスの業務関連ツールが広く浸透

財務会計や人事、生産販売管理などのバックオフィス関連の雑務を効率化するための用途で広く利用されています。次にテレワークを推進するツールの使用が見受けられました。BtoBのSaaSならではの、MAツールといったマーケティングの用途にも使用されています。

2. SaaSに求める効果は業務効率化とコスト削減が圧倒的

SaaSに求めている効果は様々ですが、特に【業務効率化】と【コスト削減】といった無駄をなくしたいというニーズが強いことが目立ちました。反対に、売上の向上や経営のスピードアップなど、成果を上げる部分については、SaaSに求める効果の最重要項目ではないようです。

3. SNS時代でも根強い検索エンジン最適化

検索行動からSaaSを認知する割合が半数近く存在し、SEOの重要性が見受けられました。また、SNSでSaaSを知ったという割合は3割近く存在し、SNS運用の重要性も示唆されています。

4. ビジュアルによる情報発信が認知獲得に向いている

月間ユニークユーザー数はLINE9200万・YouTube6900万・Twitter4500万・Instagram3300万・Facebook2600万・TikTok950万となっている。この数値を見ると、月間ユニークユーザー数に対しInstagramでSaaSを知った割合が多いことが目立ちます。YouTubeやTikTokなどの動画では多くの情報を伝えられるため、認知獲得にも向いていることが分かります。

5. 認知後の情報収集は未だテキストが健在

SaaSを検討する際の情報収集の方法として、半数近くがSaaSの公式サイトを利用しているため、公式サイトに十分な情報を記載しておくことが必須です。また費用はかかりますが、ポータルサイトに情報を掲載させることも見込み客獲得に重要といえます。

6. SaaSの性能以外にも担当者の対応などソフト面も決め手の上位に

導入の決め手としては機能・価格・既存システムとの連携など、SaaS自体の費用対効果に期待する面が多いですが、担当者の対応が決め手となった割合も3割近くと多く、追客の重要性が見受けられます。

7. 数か月にわたる検討期間

SaaSを導入する際には他社類似サービスと比較検討するケースが多いため、検討期間も長くなる傾向にあります。数か月から1年程度のスパンで追客することを前提に、ナーチャリングの体制を作る必要があります。事例や機能等をまとめた資料を用意するだけではなく、顧客の課題をヒアリングして、課題に合わせた解決策の提案もできるようにしておきましょう。

8. 機能重視で導入するも使いこなせていない

Q6でSaaS導入の決め手として機能を挙げていた割合が56.1%と最も多かったにも関わらず、機能を使いこなせていない割合が39.4%にものぼるという結果でした。ツールを使える社員に差がある割合が3割以上いるため、機能に魅力を感じて導入したものの上手く運用できていない企業が多いようです。

9. ガイド機能やサポートコンテンツの作成が必須

機能の使い方を覚えるために、ガイド機能の追加を求める割合が半数近くとなっています。また講習会の実施やマニュアルの提供、FAQページの提供など、ユーザーをサポートするためのコンテンツを作成しておくことも必要です。

10. 切り替えを前提としていかに優位性を確立できるか

導入しているSaaSの個数は6個未満という回答者が84.3%ということもあり、参入障壁が低いとはいえません。特定の業務を新しくデジタル化することを前提に提案するのも重要ですが、類似SaaSからの切り替えを前提として、顧客の課題に沿って競合SaaSとの差別化要因や強みをアピールできるようにヒアリングする必要があります。

SaaSユーザー企業アンケート結果まとめ

SaaS導入を検討している企業は数社の類似サービスを検討するため、SaaS運営企業側からの情報発信は欠かせません。また、導入意志を強めてもらうため、導入後に継続してもらうためにも、各課題を解決するための情報をコンテンツ化して、予め用意しておくことが重要です。以下ではアンケート調査結果を基にした認知獲得から継続率向上のための施策をご紹介します。

認知獲得のための施策

SaaS導入前の情報収集段階では、依然として検索エンジン最適化の重要性が高い。また公式サイトの運営だけではなくSNSや動画、ディスプレイ広告などの運用、ポータルサイトへの掲載も合わせて行うなど、いくつかの施策を併用して認知獲得するのが効果的。

導入率向上のための施策

SaaSは導入までの検討期間が長いため、継続的な追客の仕組みを構築しておくことが重要。また決裁を後押しするためにも、業務ごとのケーススタディーを用意し、人員や工数、コストが削減された事例を数値で提示した資料を作成するなど、説得材料を用意しておくことが重要。

継続率向上のための施策

導入後には機能を使いこなせていないと課題を持っている割合が多いため、ガイド機能も開発することが求められる。また、ユーザーの疑問を逆算したり、ヒアリングした結果をもとにマニュアルやFAQページを作成しておくことで、ユーザビリティの向上だけではなく、クレームや問い合わせに対応する工数を削減することができる。