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サイテーションとは?SEOやMEOへの影響と増やす方法を解説

2020年9月23日

SEOやMEOを調べているときに、サイテーションという言葉を見たことはありませんか。

サイテーション(Citation)とは、引用や言及を意味する言葉です。デジタルマーケティングの文脈では、リンクの有無に関わらず、ほかのサイトやSNSなどで、サイト名、店舗名、社名、サービス名、商品名、住所、電話番号などのブランドに関連した書き込みがされることをいいます。URLをリンクなしで投稿されることも含みます。

リンクはSEOにおいて今でも重要な評価の要因ですが、サイテーションはリンクとあわせて順位決定の評価対象にされています。サイテーション、被リンク、指名検索回数がドメインパワーに影響していて、SEOの順位はドメインパワーが強いほど有利です。

ローカルパックやGoogle Maps内の検索でサイテーションは順位決定の1つの要因です。ローカルパックとはGoogleの検索結果に目立つように直接地図が出てくる箇所のことです。

地図上で良い順位を獲得する方法はMEO(ローカルSEO)と呼ばれていますが、そこでもサイテーションを意識したほうが良いです。以下のようにGoogle公式のページに記載があります。

知名度

知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、検索結果にはこうした情報が加味されます。たとえば、多くの人に知られている著名な美術館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。

ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果の掲載順位に影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、掲載順位が高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、SEO の手法もローカル検索結果の最適化に適用できます。

Google のローカル検索結果の掲載順位を改善する – Google マイビジネス ヘルプ

サイテーションが影響を与えていると思われる箇所は、「ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。」の部分です。

好意的なコメントと一緒に書かれている良いサイテーションと、批判・クレームと一緒に書かれている悪いサイテーションがあり、これらの比率や数もSEOやMEOでの順位に影響を与えていると推測されています。たとえば炎上してサイテーションが大量に増えたとしても、ネガティブな内容ばかりであれば、悪い影響があります。

これはGary IllyesさんというGoogleの社員がイベントで2017年に示唆しています。

参照: Google Suggests They Look At Off-Site Sentiment For Ranking
How to use brand mentions for SEO, or the linkless future of link building

また、Googleが公式で公開している。品質評価ガイドライン(pdfファイル 英語)にも以下の記載があります。

Many websites are eager to tell users how great they are. Some webmasters have read these rating guidelines and write “reviews” on various review websites. But for Page Quality rating, you must also look for outside, independent reputation information about the website. When the website says one thing about itself, but reputable external sources disagree with what the website says, trust the external sources.

Googleの品質評価ガイドラインの15ページ

Webサイト運営者が自分でしている評価と、外部の評判の良い情報源がしている評価では、外部のほうを信頼するようにと記載があります。

なぜサイテーションがSEOやMEOに影響するのか

SNSではリンクを貼られずにブランドに言及されていることが増えてきており、順位決定の評価要因に加えるのは自然な流れです。もしサイテーションを評価対象にせずにリンクのみが評価の対象になれば、ユーザーが求めている情報と異なる偏った結果になってしまうでしょう。なぜなら、SNSのアカウント持っている人よりも自分でサイトを運営している人のほうがはるかに少なく、TwitterやInstagramやFacebookなどでは、リンクを貼られずにブランドに言及されることのほうが多いためです。

日本国内だけでTwitter4,500万人、Instagram3,300万人、Facebook2,600万人のユーザーがいます。同じ人が複数のSNSを利用している重複を考慮したとしても、外部サイトへのリンクを貼るようなブログなどを運営している人はこんなにはいないでしょう。

ローカル検索の順位決定にはサイテーションが影響が強く影響しています。公式のWebサイトを持っていない店舗が多い、ユーザーはいちいちリンクをはることはなくただSNSなどでレビューを書くためです。

サイテーションを増やす方法

サイテーションを得るにはどうすればよいのでしょうか。まず同じ業界の人が登録しているポータルサイトなどを活用することが考えられます。たとえば、飲食店であれば、食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ、Googleマイビジネスなどを活用することで、サイテーションが増えます。

指名検索数を増やす方法と共通している要素が多いので、以下を参照してください。サイテーションが増えれば自然検索数が増え、指名検索経由でのアクセスが増えればサイテーションも増えるという相互の関係があります。

指名検索数を増やす方法と推移の調べ方【SEOの順位を上げる要因に】

上記の記事に含まれているものもありますが、サイテーションを増やす方法を書き出します。

  • 話題になる良い商品を提供する
  • 役に立つ・面白いなど、共有したくなるようなコンテンツをつくる
  • 商品に短くて覚えやすいユニークな名前をつける
  • テレビなどのマスメディアで露出を増やす
  • ディスプレイ広告などの認知度を上げるための広告を出す
  • 広報、プレスリリースの配信
  • SNSアカウントを運用して、ユーザーと交流する
  • メルマガを運用して、新しいコンテンツを直接届けられるようにして、すべてのコンテンツを安定してある程度の人に見てもらえるようにする
  • Googleマイビジネスに登録する
  • インスタ映えという言葉に代表されるように、SNSに投稿してもらうことを意識した商品や店舗を作る
  • ブログやSNSなどに感想を書いてもらえるように依頼する(良い口コミに限定するのではなく、内容は書く人に任せる)
  • UGC(User Generated Content ユーザー生成コンテンツ)を発生させるためのネタを用意する
  • 自分の属する業界のポータルサイトに登録する

サイテーションを構築する上での注意点

  • NAP(Name 店名や社名やサービス名など、Address 住所、Phone Number 電話番号)の表記をすべてのサイトで統一する
  • ネガティブな口コミを増やさないようにする
  • ネガティブな口コミを書かれてしまった場合、きちんと返答をして問題が改善されたことを伝える
  • 自作自演や金銭的報酬を渡してサイテーションを増やそうとしない

サイテーションが増えていることを確認する方法

  • Yahoo!のリアルタイム検索、TwitterやInstagramの検索でブランド名を調べる
  • ブランド名でGoogle検索する(intitle:ブランド名 で入れるとタイトルタグに入っているページだけを検索できます。-site:example.com を入れれば自分のドメインを結果から除外できます。一般的な用語の組み合わせがブランド名になっている場合、ダブルクオーテーション ”” で囲うとよいです。)
  • 会社名、店舗名と住所を一緒にGoogle検索する

まとめ

サイテーションを獲得することはSEOやMEO・ローカルSEOに良い影響があります。獲得するには大きく分けて2つあり、関連した各種サイトに登録するなどして自ら増やす方法と、露出を増やしてUGC(ユーザー生成コンテンツ)を増やす方法があります。特にUGCが重要です。

UGCを増やすには、良い商品やコンテンツを用意して、それをある程度多くの人に見てもらうために拡散する必要があります。どんなに良い商品やコンテンツでも誰にも見てもらえないならUGCは発生しません。初速としてある程度の人に見てもらうために、SNSやメルマガの運用をしておくのがおすすめです。

サイテーションはE-A-T(専門性、権威性、信頼性)のうち、権威性に特に影響があると考えています。サイテーションを増やすことは権威性を上げることにつながり、SEOで有利になるということです。

参考: E-A-TのA(権威性)を上げる方法

毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。 Twitter

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