「ChatGPT」をはじめとする生成AIの話題が尽きない昨今、「自分の仕事にも使えるのだろうか?」「周りの会社はどのくらい活用しているんだろう?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、サイトエンジンでは153人のビジネスパーソンを対象に「生成AIの活用状況」に関するアンケート調査を実施しました。
全体の結果だけでなく、今回は特に「業界」や「職種」によって活用状況にどのような違いがあるのかを深掘りします。ご自身の状況と照らし合わせながら、ぜひ最後までご覧ください。
目次
AI活用を牽引する業界は?「ソフトウェア・情報サービス業」がトップ
まず、業界別に業務での利用率を見てみましょう。
今回のアンケートで最も利用率が高かったのは「ソフトウェア・情報サービス業」で、回答者9名のうち6名(66.6%)が「業務で利用している」と回答しました。やはりITとの親和性が高い業界では、いち早く活用が進んでいる様子がうかがえます。日常的に新しい技術に触れる機会が多く、業務で扱うデータもデジタル化されているため、AIツールを導入するハードルが低いことが理由として考えられます。
「製造業(衣服・繊維製品)」も利用率としては「ソフトウェア・情報サービス業」と同等でしたが、母数が少ない点に注意が必要です(9人中6人)。
ほとんどの職種で、半数程度の人がAIを活用
次に、職種別の利用率を見てみると、利用率が最も高かったのは「人事・労務」職。回答者4名全員が利用しているという結果でした。これは、雇用契約書や社内通知といった定型的な文書作成業務や、社内規定に関する問い合わせへの一次対応など、人事・労務職にはAIが得意とする業務が多く存在するためかもしれません。また、「研究開発」職も5名中4名(80%)が利用しています。
今回回答が集まった13の職種のうち、利用率50%を切るのは5職種。ほとんどの職種では、半数程度の人はAIを活用しているという回答が得られました。
なお企業の意思決定に関わる「経営者・役員」層では、利用者は6名中3名(50%)。どちらかというと現場レベルでの活用が先行していると言えそうです。
参考:
Q. あなたは生成AIに対して好意的ですか?
Q. 業務でよく使う生成AIは何ですか?(複数回答可)

マーケティング担当者はAIに何を期待しているのか?
ここで、「マーケティング・宣伝・調査」職として回答を寄せて下さった方の回答内容を見てみましょう。
「業務で生成AIを利用している場合、どのような形で活用していますか?」の質問に対しては、「テキスト生成」「調査・リサーチ」に利用していると回答。そして今後の活用意向として「WEBマーケティングにおける調査や分析、実行など」という、まさしく業務のコアに関わる回答がありました。
一方で、「どんどん進化している実感がある」というポジティブな声と同時に、「思考力の低下につながりそうな気がする」というネガティブな意見も挙がっており、大きな期待を寄せつつも、その影響力に複雑な思いを抱いている様子が垣間見えます。
職種を問わず高まる「テキスト生成」「資料作成」へのニーズ
では、実際に生成AIを利用している人は、どのような業務に活用しているのでしょうか。
Q. 業務で生成AIを利用している場合、どのような形で利用していますか?(複数回答可)

利用者全体(77名)で見ると、最も多い活用方法は「テキスト生成」(47名)、次いで「パワーポイント等資料作成」(30名)、「調査・リサーチ」(25名)でした。これらは多くの職種で共通して発生し、時間がかかりがちな作業であるため、AIによる効率化の恩恵を最も受けやすい分野だと考えられます。
今後の活用意向に関する自由回答でも、
- 「ビジネスにおける文書作成」
- 「資料作成に活用したい。情報収集したものをうまくまとめてほしい」
- 「会議の時の文字起こし」
といった声が多く挙がっており、メールや資料作成、情報収集といった日常的な業務を効率化したいというニーズが職種を問わず高いことがうかがえます。
【まとめ】AIとの共存時代、カギは「役割分担」
今回の153名への調査から、業界や職種によって温度差はあるものの、多くのビジネスパーソンが生成AIを業務効率化のツールとして捉え、強い関心を寄せていることが分かりました。
特にマーケティングや営業活動においては、リサーチや文章作成といった作業をAIに任せることで、人間はより高度な戦略設計や顧客とのコミュニケーションに時間を注げるようになります。こうした「AIとの役割分担」は、今後のビジネスシーンでますます重要になるでしょう。
サイトエンジンでは、各業界の特性に合わせたWebマーケティング戦略のご提案から、AIを活用した効率的なコンテンツ制作まで、一気通貫でご支援しています。自社でのAI活用やコンテンツマーケティングに課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
自由回答から一部を抜粋
Q. 生成AIを今後さらに活用したいと思っている場合、どのような分野で利用したいですか?
- 会議資料の要約
- 資料作成(もっと簡単に、質を高く出来るはず)
- 外国語の翻訳や文章作成のサポート
- 要約やリサーチ
- イメージ画像の作成
- WEBマーケティングにおける調査や分析
- 作文、論文の作成、研究の参考
- 福祉や医療など、人手が足りないところ
- 患者の症状や会話内容に活用
- 介護する人の病気に対してどう接するべきかをサポートしてほしい
- 旅行費がどちらが費用がかかるのかなど、調べると時間がかかることを考えてもらいたい
- 頭脳を使わない、面倒な作業
- 人間が行っている、ミスが多い業務全般(経理など)
Q. 生成AIに関するネガティブな意見を聞かせてください。
- 機械的
- クリエイターの価値が低くなってしまいそう
- 今まで努力を重ねて技術を獲得してきた人たちを蔑ろにしている
- 著作権に関してグレーゾーンな部分が多い
- 個人情報、プライバシー、データの流出
- 法律が追いついていない
- 悪用する犯罪者がいるかもしれない
- もっともらしい嘘を出力することがあり、事実確認が必要
- チェックなしで利用するにはまだリスクがある
- 自分の考え方が変わってしまう、自分で考えなくなる可能性がある
- 人間の仕事が奪われる可能性がある
- 品質のばらつき
Q. 生成AIに関するポジティブな意見を聞かせてください。
- 自動化と効率化に非常に有効
- いちいち検索サイトで調べなくても、一発で自分の知りたいことが知れる
- 資料作成や画像作成が楽になり、その時間をほかの業務に当てることができる
- 技術がある人物にお金を払ってやってもらう必要があったものが、無料かつ自分自身だけで作れるようになる
- 人間が考える時間を減らせる
- プライベートが充実する
- アイデア出しがスムーズ
- これまで人間にしかできなったことを、ミスなくやってくれる
- 人員不足の解消にもつながる
- 楽しくなる
その他の回答(一部)

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