ホワイトペーパーは見込み顧客の関心を引き、リードにつなげるための重要な資料です。ただ情報を羅列するのではなく、読み手に価値を感じてもらえるような工夫が成果を左右します。
ホワイトペーパー作成工程
サイトエンジンでは以下のようなステップを踏み、ホワイトペーパーの作成を行っています。

構成と型
基本的な構成
表紙
はじめに(または「資料の目的」)
目次
本題
製品・サービスの紹介
問い合わせ先・会社概要
基本的な5つの型
1. 【課題解決型】
目的:潜在顧客の課題に気づかせ、解決策を提示
構成例
- 業界や業務での課題提起
- 原因分析と放置リスク
- 解決策とメリット
- 導入ステップや製品紹介
2. 【比較解説型】
目的:製品・サービスの選定を支援し、最終判断を後押し
構成例
- 市場における選択肢の整理
- 各手段のメリット・デメリット
- 自社ソリューションの優位性
3. 【導入事例型】
目的:信頼性の醸成、成果の具体化
構成例
- 導入前の課題と背景
- 導入プロセス・施策の中身
- 得られた成果・数字での効果
4. 【チェックリスト型】
目的:見込み客自身に「課題の自覚」や「必要性の理解」を促す
構成例
- チェック項目(YES/NO)
- 結果ごとの課題傾向
- 推奨アクションと自社サービスへの導線
5. 【業界・市場動向レポート型】
目的:専門性・情報の信頼性でリードを獲得、信頼関係を築く
構成例
- トレンドデータや調査結果
- 市場の将来予測
- 解釈と自社提案
具体的なホワイトペーパーの種類や分類が知りたいという方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
ホワイトペーパー13種類と使いわけの方法 | サイトエンジン株式会社
ホワイトペーパーの作り方・活用事例を解説【デザインサンプルあり】 | サイトエンジン株式会社
実際に作成する上で重要なこと
構成を組む上での基本原則:無駄を省き、読みやすく
ホワイトペーパーの構成を考える際にまず意識すべき最も重要な点は、無駄な情報を入れないということです。
ウェブコンテンツの場合、SEOのために情報量を増やすことが推奨されるケースもありますが、ホワイトペーパーは異なります。情報が詰め込まれすぎると全体のボリュームが増加し、読みにくくなってしまいます。
そのため、本当に必要な情報に絞り込み、無駄を省いて読みやすい形にすることが重要です。構成を組む際は、この「読みやすさ」を常に意識する必要があります。複雑な構成にするよりも、シンプルで論理的な流れを心がけることで、読みやすさにつなげられます。
また、構成の重要なポイントとして、読み手にとっての利益がしっかりと含まれているかという点があります。ホワイトペーパーは、ダウンロードという手間をかけてまで顧客が得ようとするものです。だからこそ、そのダウンロードに値する価値を明確にする必要があります。
情報量のバランスとコンテンツの質:独自の価値を提供
ホワイトペーパーの価値を高めるためには、情報量のバランスも考慮が必要です。検索したらすぐ出てくるような一般的な情報ではなく、その会社独自の価値や経験、あるいは他では得られない情報を多く含めるべきです。具体的には、お客様の声や成功事例のようなコンテンツは、他の場所では手に入りにくい独自の情報となり得ます。
しかし、必ずしも「自社でないと知り得ない情報」だけである必要はありません。例えば、複数のサイトを比較しないと分からない情報や、ウェブページを複数見ないと得られない一連の情報が、一つに集約されているだけでも読み手にとっては価値になります。法律改正への対応策を分かりやすくまとめたり、実施チェックリストを付けたりするような資料は、読み手の負担を軽減し、効率的な情報収集を可能にします。
ターゲットとの関連性:誰が、何を求めているか
企画段階で見落とされがちなのが、ターゲットを十分に意識せずにホワイトペーパーを作成してしまうケースです。ターゲットはあらかじめ想定されているはずであり、自社のサービスに継続的に関心を持つユーザーなど、明確に定められている場合が一般的です。
しかし、自分の言いたいことだけを意識してしまい、ターゲットのニーズに沿ったものが作れなくなってしまうことがあります。自社サービスがどれだけ優れているかという点を一方的にアピールしても、それが刺さるユーザーは少なくなってしまいます。
そのため、ターゲットがどんなことに困っているかを考え、それに対して自社がどのような情報を提供できるのかに基づいてコンテンツを作る必要があります。
例えば、セキュリティシステムに関するホワイトペーパーであれば、導入を決めるのが経営層なのか、システム担当者なのかによって、書くべき内容は変わってきます。経営層向けなら不十分なセキュリティ対策のリスク、システム担当者向けならより技術的な内容、といった具合です。読み手が読みたいと思わない内容になってしまうのは避けなければなりません。
さらに、読み手の立場に立ったホワイトペーパーを作成することが非常に重要です。
例えば、ペットと泊まれるホテルなら、ホテルの設備だけを詳細に紹介するのではなく、周辺のペットと一緒に楽しめる観光地やアクティビティ情報など、旅行を計画しているユーザーが本当に知りたい情報を手厚く盛り込む方が構成として適切である場合があります。この場合、設備紹介に多くのページを割いてしまうと、読み手の関心とズレが生まれやすくなります。
構成におけるレイアウトの重要性
構成案では、各ページにどのような情報が掲載されるかを決めますが、読みやすいホワイトペーパーにするためには、それに続くレイアウトの検討も重要です。文字量や画像の有無によって、完成イメージは大きく変わり、これが読みやすさに直結します。
読みやすいレイアウトにするためには、いくつかの原則があります。ユーザーにとって親しみやすいフォントを選ぶこと、色使いを3色程度に抑えること、そして、基本的なデザイン要素(タイトルの位置、文字の配置、行間など)を各ページで統一することが重要です。
統一感が欠けると、ページごとにフォントや行間、文章の配置にばらつきが出て、全体として読みにくい印象を与えてしまいます。高さや横の並びが揃っていない場合も同様に読みにくいです。
これらの視覚的な要素は、構成された情報が読み手にどのように伝わるかに大きく影響します。
レイアウトについてより具体的に知りたいという方は、以下の記事も参考にしてください。
「それっぽいデザイン」のホワイトペーパーになっていませんか?商談率を上げる資料作成のコツ | サイトエンジン株式会社
まとめ
ホワイトペーパーの構成で最も重要なのは、無駄な情報を削ぎ落とし、読み手にとって価値ある内容に絞ることです。そのためには、ターゲットを深く理解し、彼らの課題や関心に沿った情報を提供する必要があります。自分の伝えたいことを一方的に並べるのではなく、読み手が「知りたい」と思う内容を意識した構成こそが、成果につながるホワイトペーパーをつくる鍵となります。
さらに、構成された情報をスムーズに伝えるには、視覚的な見やすさにも配慮することが大切です。
サイトエンジンではホワイトペーパーの制作を代行する業務を行っております。お気軽にご連絡ください。
ホワイトペーパー制作代行サービス