コンテンツ制作ブログ

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【共催レポート】BtoBマーケティング成功の鍵セミナー第1弾【SATORI×サイトエンジン】

2023年7月24日

BtoBマーケティングを行う企業にとって【リード獲得】と【リード獲得後のコミュニケーション方法】はどちらも重要であり、切っても切れない関係です。

2023年6月1日、SATORI株式会社とサイトエンジンはセミナーを共催し、リード獲得とリード育成のノウハウをお伝えしました。今回はその内容をレポート形式でお届けします。Web経由の案件獲得、その後の売上拡大に課題をお持ちの方はぜひご覧ください。

登壇者紹介

サイトエンジン株式会社:毛塚 智彦

サイトエンジン株式会社を創業。 15年以上にわたりWebマーケティングのサービスを提供し続ける。 自社でもWebマーケティングを実践しており、インバウンドのみで累計800社以上と取引をする。多くの企業のオウンドメディアの戦略立案、コンテンツ制作やデータからの改善を担当。Webマーケティングの中でも特にコンテンツマーケティング、SEOなどを主に担当。

サイトエンジン株式会社について

「自己表現にテクノロジーとアイデアを」という経営理念に基づき、あらゆる企業のデジタルマーケティングの戦略設定から実行までを支援している。15年にわたって蓄積したノウハウを活かし、ランディングページ、コラム、ウェビナー、ホワイトペーパー、診断コンテンツなど、月間800~1,000ものコンテンツ制作を行っている。2021年に熊本オフィスを設立。

SATORI株式会社 マーケティング営業部 山田 健太

新卒でインサイドセールス代行会社に入社。サーバーなどのハードウェア案件や会計や生産管理ソフトウェア案件のBDRコールに携わる。 2018年にSATORI株式会社に入社。インサイドセールスグループで成果を出すための組織作り、オペレーション整備、メンバーマネジメントに従事。 2023年4月よりデマンドジェネレーショングループ に異動し、リード育成を中心にマーケティング営業部門の成果最大化を目指す。

SATORI株式会社について

「あなたのマーケティング活動を一歩先へ」をミッションとし、マーケティングオートメーション(MA)ツール「SATORI」を開発・提供している。

匿名の見込み顧客にも商談の機会を創出することができる「SATORI」は、大企業、中小企業を問わず、累計導入社数1,500社(※2023年4月末時点)の企業様に導入されている。導入時の立ち上げ支援や活用に関するセミナーの実施、オンラインでの問い合わせ対応、マーケター同士のコミュニティの提供など、手厚いサポート体制も同サービスの特徴。

第1部:リード獲得のためのコンテンツ作成&運用術(サイトエンジン株式会社)

目的に合わせたコンテンツの企画方法

毛塚:

コンテンツを企画する上で大切なのは「なぜ買ってもらえているのか」というパターンを探すことです。

同じ製品やサービスでも、導入の理由や用途は顧客によって異なります。

例えば弊社の顧客の中には「売上をアップさせたい」という方もいれば「コストを削減したい」という方もいます。

コンテンツを企画する際は、顧客の主な導入理由や、用途を知るところからスタートすることを推奨しています。

買う理由にはいくつかのパターンがあります。そのパターンごとに、顧客のペルソナや、抱えている課題などを把握していく必要があります。 

上図はカスタマージャーニーマップと呼ばれるもので、顧客がどのような流れで購入の意思決定をしているかを整理したものです。問い合わせ、リサーチなどの段階ごとにどのような情報が求められているか、どのような心理状態になっているかを整理し、どの段階の人にどのような情報を見せるかを整理します。そうすることで、コンテンツがより伝わりやすくなります。

「 全ての段階の人に適したコンテンツ」は基本的に存在しません。求められる情報を、求めている段階の人にきちんと見てもらえるようにすることが大事です。 

また顧客の流入のきっかけや目的に応じて、見せるべき情報は異なります。そのため、集客方法とコンテンツはセットで企画する必要があります。

例えば、友達から口コミを聞いて製品名で検索してきた人もいれば、Twitterで紹介されている投稿がたまたま目に留まり、製品名で検索してサイトに来る人もいます。もしくは、悩みを解決するための情報を検索エンジンで探していてサイトを見つけたという人もいるでしょう。

顧客がサイトに訪れるきっかけや理由ごとに、求められている情報の内容や質は大きく異なります。「どのようなきっかけ・理由でサイトに訪れるのか」を把握して、顧客の目的や意図に合わせたコンテンツを提供しましょう。そうすれば読んでもらえるコンテンツになりますし、お問い合わせや資料請求などのリードにつながるような行動を起こしてもらいやすくなります。

以上のように顧客のパターンを把握すると、顧客のステップや状態に応じて異なるコンバージョンのポイントを用意する必要があることが分かってきます。

特に不動産や金融系などの高額な商材の場合、Webサイトからいきなり購入に至るケースは稀です。一般的には、まず事前に資料を請求したり、営業の話を聞いたりして、ようやく契約に至ります。どういった段階にあるかはユーザーによってまちまちで、「今すぐ検討して直近で買いたい」と思っている人もいれば「なんとなく興味を持って調べ始めた」という人もいらっしゃいます。このステータスに応じてコンバージョンのポイントを別々に用意すると、よりコンバージョン率が上がりやすくなるのでおすすめです。

自社の製品が買われる理由のパターンを考える際、具体的にどのようにすれば良いかをお伝えします。

一番は、とにかくお客様に話を聞くことです。継続的に数をこなすことをおすすめします。

お客様へのインタビューの時間を作ることが難しい場合は、ユーザーテストやウェブの行動分析、購買データ分析を行っても良いです。あるいは、カスタマーサポートやカスタマーサクセスの方々がお客様とやり取りした電話やメールの内容を分析したり、営業担当がお客様と商談した時の議事録や、録画データを見せてもらったりすることもできます。SNS上で自社製品がどのように言及されているかを調べる方法もあります。

こうした様々な取り組みを行うと、主要な購買の理由が2~3点判明します。その理由ごとに、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成し、そこからコンテンツの企画制作をしていくという流れです。

参考までに、どんな業種・企業でも使えるコンテンツのネタを紹介します。一番簡単な方法は、「お客様からよく寄せられる質問」について書くことです。社内のカスタマーサポートや営業の方で、お客様からの質問に関するデータの蓄積があるかと思います。そのような質問のうち、自社サイトなどで回答できていないものについては、ぜひ作成してみてください。

求められている情報について、上図のようなマッピングを行って整理することも有効です。この図はSEOコンテンツを作る時に見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このマッピングでは、お客様の要望や質問にはどのような種類のものがあるのかを網羅的に把握できます。自社の製品やサービスを購入する理由となる課題や動機が中央部分に来て、そこから枝分かれする形で情報を整理できます。

コンテンツ制作の進め方

毛塚:

ここからは、コンテンツ制作の実際の進め方について説明します。

上の図がコンテンツの種類一覧です。上記でお話した手順でコンテンツを見せるターゲットが決まったら、まず内容を決めます。ターゲットと内容が決まるとフォーマットが決まり、フォーマットが決まると掲載する媒体が決まるという流れになっています。

コンテンツの内容としては、上図のようなものが例として挙げられます。まず優先して作成するべきコンテンツは、上図の①「時間が経っても価値が下がりにくく、かつ成約に貢献するコンテンツ」です。①、②の順で作って、③と④を後から検討するのをおすすめします。

上のグラフは弊社が今年行ったアンケート調査の結果です。2022年に実施したコンテンツマーケティングの方法について企業に尋ねたところ、BtoBではメルマガ・SEO記事・動画・ホワイトペーパーが多く活用されていることが分かりました。

実際にコンテンツを作る際には、まず企画案を書き出すことをおすすめします。上図のようなシートを作り、タイトルや概要を記載すると良いです。

コンテンツの総量が少なければ、全てのコンテンツを同じシートで企画管理してもいいと思います。コンテンツの数が多くなってきたら、ホワイトペーパー用、動画用のようにコンテンツの種類ごとに管理しても良いでしょう。まずはどのようなものを作りたいかを書き出し、ボツになったものも含めて一覧として管理しておくことが大事です。

制作したいテーマが決まったら、記事を執筆・デザインする前に、上図のようなたたき台を使用してより詳細に企画を立てます。

コンテンツが完成してから「やっぱり何か違うよね」ということになると、工数やお金が無駄になってしまいます。そのため、事前に社内で議論をして、内容にどんなものを含めるべきかを確定させてから制作を始めることをおすすめします。

また、説得力がある情報コンテンツを作るには、上記のような信頼されやすい(強い)情報を参照することも重要です。

制作を進める上で重要なポイントは「複数名で進行して役割分担すること」です。1人で企画・執筆・デザイン・公開まで全てやるという方もいらっしゃるかと思いますが、コンテンツの規模を大きくしていく場合は役割分担が必要です。

例えば弊社では、マーケター・SEO担当者・ライター・校正校閲・デザイナーがそれぞれに関わるという流れになっています。そうすることで、1人で作る時よりも品質は高くなりますし、誰かが休んだ時も他の人が代わりを務めることができます。

コンテンツ制作の属人化を防ぐために、マニュアルを資料として残すことをおすすめします。担当者の採用方法・外注先のパートナーさんの選定方法・教育方法などについて資料を作り、資料の通りにやればある程度誰でも業務ができるようにしておくことが大事です。

マニュアル化・ドキュメント化が実現できたら、組織の役割分担や組織間の連携のありかたについて設計します。必要な役割を担える人をどう採用するかということも含めて設計していく必要があります。

コンテンツを届けるための工夫が必要

毛塚:

「良いコンテンツを作れば自然と人が集まる」というのは誤りです。コンテンツをきちんとターゲットに届けるためには、上図のように配信(ディストリビューション)を工夫することが必要です。会社ごとに適した方法が異なるので、自社に合った方法を探し、継続的にやりきることが重要です。

新しく事業を立ち上げてマーケティングを始めたばかりという場合は、まず認知をしてもらうことが必要なので、制作よりも配信の方にリソースを割くことが大切です。

メルマガ読者やフォロワーが増え、認知が増えていくと、制作にシフトしていくことができます。

また、一度サイトに訪れてくれたユーザーと接点を持ち続けるために、ユーザーの求めている情報取得方法に合った方法で配信を行うことが必要です。

費用対効果の検証と改善

毛塚:

コンテンツは「作って終わり」ではありません。

得られたユーザーの反応を知見として溜め、コンテンツ制作に活かすというサイクルを回し、継続的にコンテンツを改善することが必要です。

過去に制作したコンテンツ記事の改善が必要な理由の一つは、新規記事よりも過去記事の方がトラフィック(アクセス数)の比率が大きいからです。

新規コンテンツだけで流入を増やすことは現実的ではありません。サイトの規模が大きくなるほど、過去記事の効果測定や改善が重要になります。

過去記事の改善が効果的なもう一つの理由は、特定のページに流入やコンバージョンの大部分が集中しているサイトが多いことです。

その特定のページに対して集中的にリソースを割くと、費用対効果がとても改善しやすくなります。

また、一度制作したコンテンツを再利用することも結構大事だと考えています。例えば文章形式のコンテンツをもとにセミナーを開催し、そのセミナーの録画をYoutubeにアップし、さらにそのセミナーのレポート記事を作成することができます。

弊社では、アンケートの調査を行って得られた結果をホワイトペーパーとしてまとめ、それをプレスリリースとして発信したり、サービスページの中にデータを埋め込んだりといった使い方をしています。他にも、ブログの記事が書きたまったタイミングでウェビナーのネタとして使ったり、ノウハウをまとめた資料をホワイトペーパー化したりしています。

まとめ

本日お話した内容を、何か一つでもいいのでぜひ試してみてください。結果を教えていただけるとありがたいです。

t.kezuka@siteengine.co.jp

第2部:コンテンツを見込み顧客に正しく届けてナーチャリングする3つのコツ(SATORI株式会社)

山田:

コンテンツを活用して顧客を育成していくためには、

1.コンテンツで顧客の興味を捉える

2.お客さまが興味のあるコンテンツを届ける

3.適切なタイミングでお客さまに営業活動をしていく

この3つが重要です。それぞれどのように実行していくのかを詳しくご紹介しますので、方法を持ち帰っていただけると嬉しく思います。

顧客の購買プロセス

顧客が課題を認識してからサービスを比較・検討するまでのプロセスは、オンライン上で、非対面で行われるのが一般的になっています。

2019年の時点で、購入プロセスを「検索から着手する」という顧客は92%にも上っています。また、非対面で購買プロセスの62%を終えるといわれています。さらに、検討初期段階でセールスと接触したくないと思う人は60%に達しています。

これらの数字はコロナ禍に突入する前のものなので、今ではさらにそれらの割合が高くなっている可能性があります。

そのため、顧客開拓をしていく上では「Web上で顧客と接触していく」ことが必要です。

第1部のお話にもあったように、顧客の興味関心を高めていくためには、顧客の状況を把握して、それに応じたコンテンツを用意して届けていくことが重要です。

上図は、マーケティング担当者様を対象とした調査レポートの結果です。多くのマーケターがコンテンツマーケティングなど「Webからの顧客獲得」に取り組みたいと考えていることが分かります。

顧客の状態を捉える

山田:

ここからは、顧客の検討状態を捉えるために、どのようにコンテンツを使うのかを紹介していきます。

弊社では、Webサイトに訪れた見込み顧客を大きく4つの状態に分類しています。まだ検討段階でない顧客を「潜在層」、既に検討フェーズであるという方は「顕在層」としています。もう一つの軸が、顧客の会社名や氏名が分かっているかどうかという軸です。名前は分からないけれども、Webページに訪れている方を「匿名」、連絡先が分かっている方を「実名」としています。

上図の4つのフェーズでは、右下の「顕在層×実名見込み顧客」の状態が理想的です。しかし、何もせずに「顕在層×実名見込み顧客」の顧客がどんどん生まれることはありません。そこで、他の3つのフェーズにいる顧客を「顕在層×実名見込み顧客」にすることを目指します。

それぞれのフェーズで顧客の興味は異なりますので、それぞれの状態に適したコンテンツを発信していく必要があります。

「潜在層×匿名見込み顧客」へのアプローチ

山田:

「潜在層×匿名見込み顧客」の顧客は、Webサイトには訪れているが、資料請求などをせずに離脱してしまう方です。この層が最も多いはずなので、コンテンツの力を使って、弊社が顧客にとって有益な情報を提供していることをアピールしていく必要があります。

弊社の「マーケティングブログ」のようなオウンドメディアや、ホワイトペーパーで有益な情報を提供する代わりにフォーム登録を促し、顧客の個人情報を収集します。

「潜在層×実名見込み顧客」へのアプローチ

山田:

例えば展示会などで集めた見込み顧客が「潜在層×実名見込み顧客」該当します。既にお名前や連絡先等が分かっており、連絡を取れる状態ですが、まだ自社のサービスや製品に興味を持っていないことが多いため、いきなり営業活動をしてもうまくいきません。こういった方には、セミナーやサービス導入事例のWebページに誘導しながら、興味喚起を促していきます。

「顕在層×匿名見込み顧客」へのアプローチ

山田:

「検討しているけど、売り込みを受けたくない」という理由で、ぎりぎりまで企業と接触しない顧客が「顕在層×匿名見込み顧客」に該当します。そのような見込み顧客に対しては、実際のサービスをトライアルとして試すことができるコンテンツを提供することで、サービスに対して有益性を感じて頂き、資料請求などを通じた個人情報の開示に繋げます。

このような形で、お客の興味に応じてコンテンツを準備して、少しずつ右下の実名顕在層へナーチャリングをしていきます。

顧客属性に合わせたコンテンツを届ける3つのポイント

山田:

ここからは、コンテンツマーケティングを使って、顧客の興味関心をどのように切り分けていくのかを説明します。

適切な「コンテンツ」を用意する

山田:

コンテンツを作る際に想定した顧客の状態と、実際の顧客の状態が正しいのかを確認し、コンテンツをブラッシュアップしていくことが必要です。

「Webサイトのお役立ち資料を見てくれているから、この顧客は潜在層である」とか、「サービス比較ページを見に来てくれているから、顕在層である」といったように、顧客のフェーズを捉えていきますが、その捉え方が正しいのかについても随時振り返って確認する必要があります。

もしこれから新しくコンテンツを作っていく場合、顧客が購買プロセス上で起こすであろう行動を想定し、その行動をした時に見てもらえるであろうコンテンツを作っていきます。

そのためには、自社のサービスを利用してくれる顧客が何に興味を持っているのかを考える必要があります。

自社の営業担当はお客さまの生の声を絶対に持っているので、営業担当に質問して一緒に作っていくことをおすすめします。

ただ、「どんなコンテンツがあれば営業しやすい?」と質問すると、営業担当は色々な要望を出してしまいがちです。リソースには限界があると思うので、例えば「検討初期フェーズのお客さまには、どういう知識やどういう課題を持っていてもらいたい?」といったように、情報を指定して質問すると制作のヒントが得られやすいです。

上図は弊社のコンテンツ管理シートです。顧客の状態ごとにコンテンツを定義し、スプレッドシートで管理しています。

「潜在層×匿名見込み顧客」に対してはデジタルマーケティング全般に対するコンテンツが多く、「顕在層×実名見込み顧客」に対してはサービスに近い内容をコンテンツにしています。

実名化さえできれば、コミュニケーション手段は色々あります。なるべく匿名見込み顧客の広い情報収集ニーズに答えるために、弊社では匿名見込み顧客向けのお役立ち資料などを多く用意しています。

このシートでは、一定の品質を通過してSATORI公式サイトに掲載しているコンテンツを管理しています。管理しておくと、別の場面においても、どのコンテンツを使うか考える際に分かりやすいため、営業部門やインサイドセールス部門の担当者が資料を使う場合にも一目で分かり便利です。

ぜひこのようなコンテンツ管理をやってみることをおすすめします。

適切な「手段」を選ぶ

山田:

どんなに質の高いコンテンツを作っても、見せ方がうまくないと、宝の持ち腐れになってしまいます。顧客の検討フェーズに応じて、どのような手段で情報提供をしていくのかを考えるのも重要です。

購買プロセスごとに顧客が行うあらゆる行動を予測して、それに応じたコンテンツを用意しておく必要があります。

例えば購買プロセスの初期段階の「潜在層×匿名見込み顧客」は、サービス名で直接検索するのではなく、近しいキーワードでWeb検索を行います。また、トレンドやノウハウを探しており、SNSや広告経由で流入するケースが多いです。潜在見込み顧客が求めるであろうトレンド情報や、ノウハウについてのコンテンツがあると、購買初期の段階から実名状態の顧客を獲得していくことも可能です。

逆に、購買プロセスが進んでいる「顕在層×実名見込み顧客」に対しては、メールや電話を活用してセミナーや商談を案内します。この場合、一般大衆向けにメールを送るのではなくて、なるべく1to1に近い内容でメールを送ると効果的です。例えば、顕在層向けのコンテンツに接触した顧客には、限定セミナーを案内するのがおすすめです。

「買い手」に合わせた情報提供タイミング

山田:

情報提供のタイミングが不適切な場合、どんなにコンテンツが良くても、効果が低くなってしまいます。

例えば顧客がインサイドセールスについて情報収集をしているなら、そのタイミングでインサイドセールスについての詳しい情報を提供すれば、さらなる情報を得ようとアクションを起こす確率が上がります。

私がインサイドセールスとしてコール活動をしていた時、資料請求があったお客さまには即電話しなさいと教わりました。なぜなら、資料請求をしてきたタイミングが、営業用語で言うと「熱い」タイミングであるからです。実際にお客さまと会話すると「アクションが早くて助かります」というお声をいただくことが多かったです。

これに関してはコンテンツマーケティングでも一緒で、興味のあるコンテンツを見ているタイミングで、さらに追加の情報が提供できると、お客さまにとって有益かなと思います。

適切なコンテンツをタイミングよく届けることは、とても重要です。

目的・対象者別にコンテンツを届ける~実践編~

山田:

ここからは実践編として、どのような取り組みをしているかご紹介させていただきたいと思います。

ユーザーの属性ごとに情報を出し分ける

ユーザー属性に合わせて発信する情報を出し分けます。

例えば、事例ページを見ているが資料請求には至っていない人に対して、Webサイト上で「SATORI事例集という資料がある」という情報を出すと、お客さまは「おっ」と思ってくれるのではないでしょうか。弊社はポップアップを使って、もともと見られているコンテンツと近い内容のコンテンツを発信し、クリック率やコンバージョン率の改善という成果を出しています。

Webサイトを訪れた顧客が顕在層か潜在層かで誘導するコンテンツは異なります。潜在層の顧客は勉強を目的としてWebサイトへ流入してくることが多いため、マーケティングの入門となるお役立ち情報を提供しています。

潜在層の顧客にとって有益なコンテンツを提供していくことができると、ナーチャリングにつながります。

潜在層の顧客から資料請求があった場合も、弊社ではインサイドセールスでフォローアップしています。アポを取るというよりは、ご興味の範囲や、どういった課題があるかをヒアリングすることをメインに行っています。

生の声をヒアリングすることで次のコンテンツ作成のネタを考えるヒントになりますし、その顧客に提供すべき情報が何なのかをより明確に把握できます。

顧客が見ているコンテンツと近い情報を追加で提供する

山田:

顧客が閲覧しているコンテンツと近い情報を追加で提供し、成果を出した事例を紹介します。

この企業では、オウンドメディアの記事と親和性の高い情報をポップアップで顧客に表示し、メルマガの購読者を獲得できました。コンテンツ表示回数や、コンバージョン率を指標にして、効果測定を行い、PDCAを回しています。

適切なタイミングで情報を提供する

山田:

セミナーの集客をする際、メルマガで一斉に案内することが多いと思います。セミナーへの誘導もタイミングが非常に重要です。

顧客がWebサイトに訪れたタイミングや、顧客が何かサービスに対して情報を集めたタイミングで、セミナーの案内が届くようにすると、セミナーの申し込みにつながりやすいです。

しかし、サイトに訪れた人に手作業でメールを送ると、非常に工数がかかります。既にMAツールを使っているのであれば「シナリオ」という機能を活用してみてください。コンテンツが見られた時に自動でメール配信をすることもできます。

上記の事例では、興味のありそうな方へのポップアップ表示や、メール配信をして、興味と近い内容のコンテンツを提供するという取り組みを行いました。その結果、ウェビナーへの申し込み者数が2倍以上に増加し45名となりました。

弊社の取り組み事例を紹介します。

コンテンツを閲覧された後の動線として、閲覧されたコンテンツに関連する資料のダウンロードフォームを置きました。この動線にするだけで、新規獲得率が大幅に向上しました。フォーム作成ツールなどを既に利用しているなら、すぐにやってみることをおすすめします。

顧客の属性に合わせたコンテンツを作って、いいタイミングで届けていくと、コンテンツマーケティングの効果が高まり、潜在顧客を顕在顧客にすることができます。

このような施策について、今すぐ取り組むことが難しい企業さまは、MAツールの導入をご検討ください。

顧客のフェーズを捉えるということと、興味関心フェーズに合わせてタイミングよくコンテンツを届けるということを人の手でやろうとすると、とても大変です。

弊社が提供するMAツール「SATORI」は、24時間体制で顧客のWebサイト上での行動をウォッチしてくれます。また、相手の行動に合わせてコンテンツを自動で出すことができます。

顧客のWebサイト上の行動履歴を可視化して蓄積できますので、興味度合いをスコア化したり、顧客の行動に応じてメールを送ったり、社内の営業担当に通知を出したりすることが可能です。

企業規模の大小に関わらず様々な業界において、累計で1,500社を超える企業様に導入いただいております。

「SATORI」の強みは「見込み顧客の獲得」です。匿名見込み顧客に対してもWebサイト上でのアプローチをすることが可能であることが特徴です。

現状MAツールを導入されていない企業さまでどれを選べばいいのか悩んでいる場合は、「実現したいことが実現できるツールであるか」「サポート体制が充実しているか」を重視してください。

定期開催の「SATORI」紹介セミナーでは、デモンストレーションで使用感をご確認いただけます。ぜひご参加ください。

SATORIが開催するセミナー一覧は下記のリンクから。

「SATORI」公式セミナー


第3部:質疑応答

弊社ではアクセス数があまり多くないのですが、アクセス数が少ないとMAツールを導入しても意味がないでしょうか?

山田:

創出したい商談数などの目標がどれくらいかによって異なります。まずはハウスリストの数と現在のアクセス数を確認して、目標を設定することが必要です。そのうえで、MAツール導入費用に対する効果が見合うかどうか、ご検討していただければと思います。

MAツールは機能が多く、使いこなすのが大変なイメージがあるのですが、レスポンスの早いサポートはありますか?

山田:

弊社が提供する「SATORI」は、マーケターにとって必要な機能に絞ったMAツールであるため、全ての機能を使いこなしていただけます。

サポートのレスポンスの速さにも自信がありますので、ぜひご検討ください。

コンテンツの横展開について、一番優先して始めるべきものは何ですか?展示会・Web広告・SEO・Eブック制作などを実施しています。

毛塚:

優先すべき施策は事業内容によって異なりますが、一般論としては「流れていってしまう情報をアーカイブ(保存)すること」をまず考えていただくと良いです。

例えば展示会やセミナーを開催するのであれば、セミナーで話した内容を記事にしたり、スライド資料を既存のコラム記事やサービスページに転用したりすることをおすすめします。

その他におすすめなのは、告知の場所を増やすことです。例えば、Eブックを制作したら、メールで案内を送ると良いです。Eブックを展示会に持っていって、展示会で配るのも良いと思います。

ホームページのリニューアルを考えています。ページ数を減らしたい場合、どのように不要なページを決めたら良いでしょうか?

毛塚:

GoogleサーチコンソールGoogleアナリティクスなどの解析ツールを使用して、トラフィック・セッション数が極端に少ないページを確認すると良いです。1年~2年全くアクセスがないページがあれば、削除して良いと思います。

内容が重複しているページを統廃合する場合は、消す方のページに301リダイレクトを設定します。

またポータルサイトでは、検索結果の組み合わせ条件ごとにURLがたくさん生成され、ページ数が膨大に増えていくケースがあります。誰も使わないような検索条件の組み合わせがないか見直し、そのようなページを削除することで、大幅にページ数を減らせます。

コンテンツ作成準備において、コンテンツマーケティングとカスタマージャーニーマップは兼ねても問題ないでしょうか。

毛塚:

はい、兼ねても問題ありません。ただし、ユーザーのタイプが何種類かある場合は、そのタイプごとにある程度区別がつくようにして作らないと、分かりにくくなってしまうおそれがあります。山田さんが説明されていた「顕在・潜在」「実名・匿名」や、課題の種類など、分け方は様々ありますが、切り口が混ざらないようにした方がいいと思います。山田さんいかがでしょうか。

山田:

そうですね。毛塚さんの方でもお話があった「今すぐ」「そのうち」という切り口でも良いと思います、ユーザーの分け方について、我々2社は共通している部分が多いなと思いました。

まとめ

顧客の興味を惹くためには、顧客のステップや状態を把握し、それに適したコンテンツを届けることが必要です。また、コンテンツを適切な手段で、適切なタイミングで提供することも重要です。今回2社がご紹介した様々な施策の中から、自社に合いそうな方法を見つけ、ぜひ試してみてください。

MAツールは国内に30種類程存在しているといわれます。また、Webマーケティングを支援する企業も数多くあります。その中でも、SATORI様とサイトエンジンでは、自信を持ってサポートを行っております。何かお困りのことがありましたら、お声がけいただければと思います。

サイトエンジンでは今回のセミナーの他にも、デジタルマーケティングに関する無料セミナーを平日ほぼ毎日開催しております。ぜひご参加ください。

サイトエンジンのセミナー情報

坂田祐樹

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