コンテンツ制作ブログ

デジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、
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共催セミナーレポート『リード獲得から受注まで! コンテンツマーケティング×インサイドセールスで成果の出る「顧客解像度」起点の仕組みづくり』

デジタルマーケティングで成果を出すためには、コンテンツやWeb広告を活用してターゲットとなるユーザーにお問い合わせや資料請求を促し、リード(見込み客)を獲得する必要があります。

本セミナーでは、デジタルマーケティングの中でもコンテンツ制作が強みのサイトエンジン株式会社と、インサイドセールスによる営業支援サービスを提供しているSales Labが共催し、『リード獲得から受注まで! コンテンツマーケティング×インサイドセールスで成果の出る「顧客解像度」起点の仕組みづくり』をテーマに、様々なノウハウをお伝えするセミナーを開催しました。

講師紹介

サイトエンジン株式会社 Webマーケター 荒井皓平(あらいこうへい)

オウンドメディア構築・運営とコンテンツ制作を経験しサイトエンジンに入社。コンテンツ制作やディレクション、SNS運用など、コンテンツマーケティングに幅広く携わる。 現在は月に20回のセミナー運営と約10回の登壇をして、データに基づいた科学的アプローチで集客や売上アップにつなげるデジタルマーケティングを広めている。

サイトエンジン株式会社について

「改善のタネを広める」という経営理念に基づき、コンテンツ制作・デジタルマーケティングに関するコンサルティングの他、デジタル人材の採用見極めや教育支援のためのSaaSを提供している。お客様企業が将来内製化できるように支援しつつ、制作や分析を行っている。

株式会社Sales Lab インサイドセールス支援事業部 伊藤由希(いとうゆうき)

起業やWebマーケティングに携わり、主に営業やマーケティングでキャリアを積む。2011年よりインサイドセールスに従事。インサイドセールスにおけるクライアントプロジェクトの立ち上げや案件管理、マーケティング、営業を行っている。

株式会社Sales Labについて

2020年3月設立。2016年から親会社の事業部としてインサイドセールスの支援サービスを提供している。単に人を提供するのではなく、お客様の営業組織のDXを実現するような付加価値を持つ営業支援サービスを提供している。Sales Labは「AA-ISP」の日本支部を運営しており、 最先端のノウハウをいち早く手に入れ、ローカライズして提供できる点にも強みがある。

HPはこちら>>>株式会社Sales Lab

第1部:「コンテンツを駆使して Web サイトからリードを獲得する方法」(サイトエンジン株式会社)

荒井:第1部では、コンテンツを駆使してWebサイトからリードを獲得する方法を説明させていただきます。

荒井:Webサイトからリードを獲得するためには、サイトに訪れてもらう必要があります。しかし、それだけでは不十分であり、サイトに訪れてきてくれた方に商材やその会社に興味を持ってもらうことが必要です。

サイトに訪問してもらうためには、自社コンテンツを作成して検索から集客をする方法や Twitter・Facebook など SNS を使って集客をする方法、広告を使って集客する方法があります。

商材に興味を持ってもらうには、商品やサービスの内容が伝わるような魅力的な写真や文章を掲載する、コンバージョン率を高めるためにアクセス解析をしてサイトの問題点を分析する、導入事例ページの質を高めてお客様の声を掲載して信頼を得る方法があります。

ユーザーのニーズに合わせたコンテンツを作成する

荒井:コンテンツ制作の際は、訪問してきた方が求めている情報を提供することが一番重要です。

 Webサイトに訪れたユーザーがコンテンツに興味を持つかどうかは、「流入のきっかけ・理由」と「ページで見せる情報」の掛け合わせでできています。流入の理由やきっかけによって訪問者の求めている情報は異なります。きっかけや理由をしっかりと把握し、文脈に合ったコンテンツを提供することで多くのユーザーのニーズを満たすことができます。その結果コンテンツに興味を持ち、コンバージョンに至る可能性も高まります。

ユーザーニーズを把握するには

ユーザーニーズを捉えるために、以下のようなカスタマージャーニーマップを使って整理していきます。

荒井:カスタマージャーニーマップではユーザーのステージと、ステージごとのユーザーの状況が可視化されます。

上図の「課題認識」の列を参考にカスタマージャーニーマップの使い方を簡単に説明します。

例えば、弊社のようなコンテンツマーケティングの支援サービスを提供する場合であれば、課題認識の部分に「上長からの指示でオウンドメディアの立ち上げをすることになったメンバーやその責任者」があります。感情の変化としては、何をすれば良いのか分からず「マイナスの感情」になっています。この2点から、ユーザーが見るメディアは、オウンドメディアの基礎知識をまとめたページだと考えられます。検索するワードの例としては、「オウンドメディア事例」や「オウンドメディアとは」などです。このように、顧客の状況から知りたいと思われるものが分かり、提供すべきものを明確にすることができます。

荒井:続いては、コンテンツをどのように決めるかについて説明します。コンテンツを作る際は、「コンバージョンしやすい」・「集客しやすい」・「自社の強みと一致している」の3つの要素でテーマを絞ることをおすすめしています。

当然ですが、一番優先順位が高いのは三つの要素が合わさっているところです。また、3つの要素の中で、優先順位が一番高いのは「自社の強みと一致している」です。理由としては、コンバージョンしやすい・集客しやすいコンテンツは競合他社も同じようなキーワードで作成している可能性が高く、差別化が難しいからです。

自社にしか作れないコンテンツを作るには

荒井:以下のようなコンテンツは、自社にしか作れないコンテンツになりやすいので、これらから考えることをおすすめしています。

また、お客様からよく聞かれることをそのままコンテンツにする方法もおすすめです。そのようなコンテンツは作りやすく、また明確に「自社の強み」が出やすいです。ただし、この方法でコンテンツを作成する際は、自社のことだけでなく、周辺情報も提供し、客観的な視点で書くことが重要です。

コンバージョン・集客しやすいコンテンツとは

荒井:コンバージョン・集客しやすいコンテンツを作るには、ストックとフローという考え方を用います。

ストックとは、時間が経っても価値が下がりにくいコンテンツのことであり、フローとは時事性が高く、時間が経つと価値が下がるコンテンツのことを指します。以下のマトリックスで最も優先順位が高いコンテンツは成約に貢献し、ストックの要素をもつものです。

「継続して成果を出す」コツ

荒井:コンテンツマーケティングで成果を出すにあたって、よく発生するトラブルは主に3つあります。

  • ライターが辞めてしまい、更新が止まる。
  • ネタが切れて事業と関係ないものにテーマが広がる。
  • うまくいきつつあるのに制作ペースが上がらない。

このようなトラブルに対しては、仕組み化を意識することで継続的に成果を出すことができます。

例えば、様々な部署・業務からコンテンツになるものを探すことも仕組み化の一つです。コンテンツ案を考える際、メディア担当の方だけが考えたり、調べたりするだけだとネタ切れを起こしやすいです。コンテンツになりやすい「お客様からの質問・要望」などは営業の段階で多く出てきたりと、各部署の業務の中にコンテンツのネタはあります。なので、他部署を巻き込んでコンテンツを作成する仕組みを作ることで継続的に成果を出すことができます。

サイトエンジンのサービス紹介

コンテンツは作って終わりではなく、常に改善を続けていく必要があります。弊社は記事の作成代行や改善サイクルを回す支援を行っているので、自社でやりきるのが難しい場合はご相談いただければ幸いです。サービスの特徴としては、ただ作業を代行するのではなく、実際にサイクルを回せる体制がつくれる支援も行っていることです。

セミナー特典

今回のセミナーに参加された方への特典として、コンテンツ制作に関する1時間の無料相談をさせていただきます。小さなお悩みから本格的なご相談まで受け付けておりますのでお気軽にご相談いただければと思います。ご興味ある方はセミナー終了後のアンケートにご記入ください。

第2部:「継続的な成果(商談)を創出し得るインサイドセールス組織とは」(株式会社Sales Lab)

伊藤:私からは「継続的な成果(商談)を創出し得るインサイドセールス組織とは」というタイトルで、リードをどのように商談につなげるかお話させていただきます。インサイドセールスの細かなテクニック論ではなく、中長期で継続的に成果を出すための仕組みづくりに重点を置いて説明いたします。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとはマーケティング部門からリードをお預かりして、見込み顧客の育成や選別を経て商談を創出していく部分にあたります。インサイドセールスの大きな特徴は、アポイントをただ獲得するのではなく、商談を創出することにあります。

ターゲットを蓄積

伊藤:インサイドセールス組織では、コンタクトを取るべきターゲットだけに対応し、蓄積することが重要です。

往々にしてあるのが、アプローチをしてみたらターゲットではなかったというケースです。インサイドセールスがターゲットを追えていないと活動の生産性を下げかねないので、ターゲットだけに対応するやり方を目指すのが理想です。

一言にリード・コンバージョンと言っても、様々な温度や確度があります。ここでは大きく「Hot」「Warm」「Cold」の3つに分類しました。「Hot」に関しては、例えば自社製品の導入に関するお問い合わせをいただくケースです。大きく対応方法を間違えなければ商談に結びつきやすい傾向にあります。「Warm」や「Cold」のように確度が高くないリードに対しては、その商談を育てるナーチャリングと呼ばれる活動が中長期的に見て商談数や商談率を上げる大きな要因になります。

伊藤:ここでは、弊社の成果事例を共有させていただきます。上記の図はSales Labが支援をしているクライアントの1年間の全活動結果を集計したデータの抜粋版です。製造系のIoT ソリューション、分析系のシステムなどを扱っており、単価は年間で百万から数千万となっています。

上図の数字は、新規リードに対する活動とナーチャリング活動それぞれの商談化数と工数の割合を表しています。全体工数の3割から全ての商談の7割を創出したのがナーチャリング活動であったことがわかります。ここから、ナーチャリング活動は生産性が高く、効率も良い結果につながることがわかります。

ナーチャリングとは

伊藤:ここでナーチャリングについて詳しく説明させていただきます。ナーチャリングとは、継続的なコンタクトにより、商談を徐々に確度が高い方向に進展させることです。

ナーチャリングのメリットとしては、インサイドセールス部隊であればキーマンのリストに対して網羅的に活動ができるのでキーマンと自社の双方で機会損失を防ぎやすいことや、毎月一定数の安定した商談創出がしやすいこと、フィールドセールスの案件化率が高いことなどがあります。

一方のデメリットは、継続的なコンタクトをすることが前提であるため、その都度会話のネタが脆弱であるとむしろ関係性が悪化する可能性があることです。

伊藤:ナーチャリングにおいて重要な点は、キーマンが置かれた状況や課題の解像度が上がれば上がるほど、提示できる解決策の解像度も比例して上がる関係にあるということです。そのため、キーマンが置かれた状況や課題の解像度をいかに高めていけるかが活動において重要です。

ナーチャリング活動の進め方

伊藤:上図において、「Contact」を取っており、中央の「商談化」ができれば上の「営業」に引き渡されます。ナーチャリング活動は、「商談化」しなかったところから始まります。ナーチャリング活動の進め方としては、まず商談化しなかったケースに対して、確度や温度状況ごとに分類します。そして、分類別に施策を施していきます。

分類の方法としては、例えば上図のように5つに分類することができます。1番はインサイドセールス活動によって細かく情報がキーマンから聞けているケース。一方の5番は全く情報を聞けていないケースです。

伊藤:1番は情報が既にあるので、インサイドセールスにおいて個別対応するのが最適です。

伊藤:2番はキーマンであり、情報提供の許可が得られており、何らかの課題をヒアリングできているケースです。ここに対しては施策対応し、ヒアリングできている課題ごと、業種ごとに分類します。そして、それらの課題ごとの解決策のシナリオを当てます。

重要なターゲットの解像度を上げる

伊藤:重要なターゲットの解像度を上げるには、まず自社が訴求したい商材に関連して、キーマンはどのような業務を行っているのかを整理します。加えて、その業務の裏にどのような課題があるか、課題に対して自社のプロダクトはどのような価値を提供できるかを整理します。また、自社がその価値をどのような資料やホームページを武器として提供できるのかを確認します。それらを明確にした上で、キーマンから何をヒアリングするべきかを整理します。最後にキーマンに対して「商談化」と言えるためには何を達成すればよいかの定義を決めます。

伊藤:以上をさらにドキュメントに落とし込む時には、メール配信をされるのであればコンテンツに落とし込み、架電をされるのであればスクリプトやカウンタートーク集を作ります。

ここでのポイントは振り返りです。ここまでターゲットリストを分類して施策化を施した時に、その施策に対して KPI を設定する場合があります。予算と実績を確認するのも重要ですが、想定していたターゲット像の課題や業務があっていたかの確認が最も重要です。異なっていたのであれば本当の課題はどこにあり、なぜ違っていたかを確認し、ターゲット像を更新する必要があります。

伊藤:ターゲット像はナーチャリング活動において「資産」であると捉えられます。

伊藤:インサイドセールスがキーマンからヒアリングした課題をマーケティング部門と共有することで、部門連携したコンテンツ制作が可能になります。また、自社のサービスがどのような課題を解決するために採用されているかが明確になります。

伊藤:今日お伝えしたことを最初から全て実行するのではなく、一つのセグメントから始め、自社なりの形が見えてきたらそれを展開するやり方がおすすめです。

Sales Labのサービス紹介

Sales LabはオールインワンBPO型営業支援サービスを提供しており、お客様組織のインサイドセールス周りのビジネスプロセスごとお任せいただくことが可能です。インサイドセールスを始めるにあたって必要なITツールや企画運用のノウハウも含めてご提供しております。

お客様のご状況に合わせてサービスを提供しており、受注プロセスを網羅的にご支援可能です。商談獲得などの成果に加え、活動プロセスを分析することでお客様の事業成長をサポートします。

第3部Q&A

セミナーを視聴していただいた方から、様々な質問が寄せられましたのでご紹介します。

コンバージョンしやすいコンテンツの方が集客しやすいコンテンツよりも重要である理由を知りたいです。

荒井:コンバージョンしやすいコンテンツがサイトにないまま集客しやすいコンテンツばかり作ると、集客はできるがコンバージョンできない、穴の空いたバケツのようなWebサイトになってしまいます。そのため、まずはコンバージョンしやすいコンテンツを作成・改善することでバケツの穴を塞ぎ、土台を固めた上で集客しやすいコンテンツを作成することで効果的にリード獲得をしていきます。

ナーチャリングが重要なのは理解しているのですが、力を入れるとリソース的に新規リードへのアプローチが疎かになってしまいます。ナーチャリングのスモールスタートとしてはやはりメルマガなどになるのでしょうか。

伊藤:ナーチャリングのスモールスタートとしてマーケティング側の活動を行うのであればメルマガで良いと思います。インサイドセールスで獲得したキーマンの課題は3パターンに分けることができ、3つの課題それぞれに関連するコンテンツをメールに載せ配信します。メールを配信した結果、どのコンテンツの URL をクリックしたのかや、どこまで見たのかを確認し、当てるスクリプトを組み合わせることでインサイドセールスにつなげることができます。

「集客しやすい」、「コンバージョンしやすい」コンテンツはどのようにどのような基準で判断すればよろしいでしょうか

荒井:Webサイトに Google アナリティクスなどの分析ツールを入れていただき、アクセス数やコンバージョン率を見ていただくことで、「集客しやすい」、「コンバージョンしやすい」コンテンツを判断することができます。

まとめ

コンテンツマーケティングとインサイドセールスを駆使して、新規リード獲得から受注までを実現するためのノウハウについてお話ししました。

第1部では、ユーザーのニーズに合わせたコンテンツを制作することでリード獲得につながるというサイトエンジンの考え方をお伝えしました。リード獲得につながるコンテンツを作るためには、ユーザーの状態に合わせて必要なコンテンツを考える必要があります。また、コンテンツのネタの探し方や、自社にしか作れないコンテンツの作り方もご紹介しました。

第2部では、継続的な成果を創出するインサイドセールス組織について、株式会社Sales Labの伊藤様からお話しいただきました。大きなポイントの1つはナーチャリングと呼ばれる活動であり、これによって商談を徐々に確度が高い方向に進展させることができます。また、ナーチャリングにおける重要な点は、ターゲット像の解像度を上げることでした。ターゲットの置かれた状況や課題の解像度が上がれば上がるほど、提示できる解決策の解像度も比例して上がる関係にあるからです。

本セミナーの内容を参考に、コンテンツマーケティングとインサイドセールスの相乗効果を生み出す取り組みをしていただければと思います。セミナーのご参加お待ちしております。

サイトエンジンでは、Webサイトで成果を出す秘訣をお伝えするためのセミナーを多数開催しております。セミナーでは質疑応答も受け付けておりますので、コンテンツマーケティングにご興味のある方のご参加をお待ちしております。

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サイトエンジン編集部

この記事を書いた人

サイトエンジン編集部

かくたまライターたちより、コンテンツ制作に役立つテーマでお届けします。

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