「Webサイトに記事を追加し続けているけれども、なかなか売上が増えない」という方のために、成果の出るコンテンツ制作について解説します。
ステップごとに具体的な方法を分かりやすく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツ制作とは?
コンテンツ制作とは、オウンドメディアやSNS上で自社の情報を伝えるための記事・画像・動画などを作成することです。
これまで、企業のオウンドメディアで発信するコンテンツは、Webサイトを訪問したユーザーにしか届けられないものでした。しかし、SNSの活用が日常的になった昨今、積極的に企業からユーザーへ情報を発信できるようになっています。そのため、昨今のWebマーケティングにおいて、自社製品・サービスの一時情報を発信するコンテンツの重要性はますます高まっています。
コンテンツ制作に取り組む際は、準備を整えてから始めることが大切です。以下は受注までのステータスに応じて必要なコンテンツを整理した例です。このように作るべきコンテンツは多種多様にありますので、全体像を把握したあとは、優先順位をつけつつ予算や時間を配分していく必要があります。

多くの競合が情報を発信する中で調査分析を怠ってしまえば、他の大量にあるコンテンツに埋もれ、自社の情報をユーザーに見つけてもらえる確率は低くなります。そのため、顧客との接点をどの媒体、どのコンテンツフォーマットで作るかはポジショニングを考えて決めることをおすすめします。
自社コンテンツの流入を効率よく増やすためには、SEOやSNSなどの知識が必要です。さらに、自社が取り扱う製品・サービスが専門性の高いものであったとしても、誰もが理解できるような分かりやすいコンテンツでなければ、一方的な印象を与えかねません。
さらに、ターゲットの絞り込みも成果向上の実現には欠かせない要素です。
コンテンツマーケティングを成功させるために、コンテンツ制作の流れと、それぞれの工程で意識すべきポイントを理解しておきましょう。
コンテンツ制作の流れ
目的・目標の設定
誰に、何を、どのように伝えて、何をしてもらうことがゴールなのかを決めます。
目的・目標が決まらないと対象となる読者も定まりません。
たとえば、以下のように最終的な目標数値(KGI)である売上と、売上を達成するための中間指標であるセッション数やコンバージョン数などのKPIを設定します。

KGIやKPIの設計とあわせて、予算や体制についても策定します。予算や体制を先に決めて、その範囲内で成果を最大限出すための戦略を考えて、それに即したKGIやKPIを決めるパターンが多いです。KGIやKPIから逆算して必要な予算や体制を決めていくこともあります。
体制については以下のような職種でチームメンバーを決めることになります。
- コンテンツディレクター
- リサーチ担当
- データ分析担当
- SEO担当者
- 編集者
- インタビュアー(ライター兼務)
- カメラマン
- ライター
- 校正校閲担当
- デザイナー
かならずしもすべての職種で1人ずつ必要なわけではありません。プロジェクトの規模やメディアの種類に応じて、必要な役割でチームをつくります。かなり予算規模が大きくて制作ペースが早い場合を除いて、2~3人程度がそれぞれ複数の職種を兼務する形で問題ありません。
また、すべての職種を内製化する必要はないので、必要に応じて外注します。フリーランスや会社など自社のニーズに合う会社を探しましょう。大切なのは自社に不足しているスキルセットです。何が社内で出来て、どの部分は経験がないのかを洗い出して外注先を決めましょう。
コンテンツ制作に求められるスキルセットとして、
- 調査・企画(誰に何を伝えるかを決める)
- 制作(どう伝えるかを決めてつくる)
- 分析(結果をもとに次に何をつくるか決める)
などがあります。このうち、成果に最も影響があるのは、調査・企画のところです。調査・企画のタイミングで間違った方向性を選んでしまえば、どんなに上手にコンテンツを制作しても効果は期待できません。
調査は記事や動画を作るときだけではなく、最初にメディアとしての戦略やコンセプトを立案するときにも必要です。自社の顧客がなぜ自社の製品を購入してくれているのか、どのような情報を求めているのかを知らないことには、情報発信するべきテーマの見極めができません。顧客に喜ばれるような企画を立てるためにも、リサーチやデータ分析で顧客についてできる限り詳しく知るようにします。
制作するときには読み手が求めている情報をつくることが大切です。過去の顧客とのやり取りなどからニーズのある情報を判別して制作します。
制作時にはわかりやすさを重視します。簡単に理解できて読み続けたいと思ってもらえるような作り方を意識します。
コンテンツを作って公開してからは、そのまま放置するのではなくデータをもとに改善します。過去に作ったコンテンツのうち改善余地が大きいものをリライト、編集しなおすことは有効です。また、上手くいった領域を見極めて、新規企画を立てるときに参考にします。
顧客理解
顧客の解像度を高めることが必要です。以下のようなさまざまな方法で、顧客について深く知ります。
- 顧客にインタビューする
- 社内で顧客との接点が多い営業やカスタマーサポート担当にヒアリングする
- 現場に行く(売り場を見にいく)
- アンケートを取る
- 社内データを収集する(顧客のWebサイトでの行動履歴、お問い合わせメールの内容など)
- 他社も含めて商品を購入して使ってみる
AIによってインタビュー後の書き起こしや、収集したデータの分析などが非常に進めやすくなりました。
インタビューの書き起こしや要約はNottaやNotebookLMのようなツールが便利です。
データ分析はGemini、ChatGPT、ClaudeなどいくつかのAIツールに同じタスクをリクエストをしてみて、結果がよかったAIツールの出力を参考にするなど、いくつか併用することがおすすめです。
マーケティングペルソナの作成
理想の顧客像のことをペルソナといいます。ペルソナを作成しておくことでコンテンツの企画や制作の方向性がブレなくなります。ターゲットよりも詳しく顧客の属性や行動、抱えている悩みや課題などを記載します。

ペルソナの作り方は以下を参照してください。
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カスタマージャーニーマップ作成
ペルソナはどのような行動をしていくのか、あなたのサイトに訪れる前の状態も含めて整理します。一連のユーザー行動をまとめたものをカスタマージャーニーマップといいます。
以下は例ですが、製品検討の流れを整理し、段階ごとにどのような情報提供ができるのかを考える材料にします。

カスタマージャーニーマップの作り方をより詳しく知りたい方は以下を参照してください。
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キーワード調査
ペルソナが検索しそうなキーワードを調査します。カスタマージャーニーマップの作成と並行して行うことが多いです。まず、関連したキーワードを網羅的に洗い出して、そこから検索意図に応じて整理していきます。意図の近いキーワードをグループにして、それぞれのグループに特化する形でコンテンツを制作すると、ユーザーにとってわかりやすい内容となります。

検索キーワードからユーザーの行動を推測することもあれば、逆にユーザー行動を収集したデータ・取材などから把握して、新しいキーワードを発見することもあります。
関連記事:【動画解説あり】マーケター必見!SEO対策に効果的なキーワードマップの作り方
記事企画
以下のような内容を盛り込んで記事企画にします。ここに書くペルソナは記事固有のペルソナで、上記で設定したペルソナよりも、具体的かつ細かいニーズを持っていると想定して指定します。
- タイトル(35文字以下を目安とする)
- ターゲット(ペルソナ)
- 解決するニーズ
- 記事概要(コンテンツの内容と結論)
- 上位サイトの傾向(SERPS)
- 読者の得るもの
- 読者に期待する行動
- サジェスト(複合で検索される語句)
- 共起語(よく使われる語句)
- 想定文字数
- メインキーワードと検索ボリューム(Google)
- 関連性の高いキーワード(同時に対策をする必要があるキーワードや関連性の高いサジェスト)
記事構成案(骨子)の作成

上記の記事企画にそって、見出しおよびそれぞれの見出しに含める内容をまとめます。
見出しごとに結論、含めるべき情報、参照すべきデータ・URLなどを含みます。
以下は、サイトエンジンで使用している構成案です。

レギュレーション作成
記事のトーン&マナーの設定や掲載先サイトの表現統一のルールなどをルールとしてまとめたものをレギュレーションといいます。
最初から詳細に設定する必要はありませんが、A4の資料1ページにおさまるくらいは作っておくと便利です。あとから書き足したり、修正したりしていきます。
関連記事:Webライティングのレギュレーションとは [ライター記事執筆のルール]
執筆
記事のトピックにあわせて適したライターを選定して依頼します。書くときには、一次情報にあたって独自の情報を含めるようにします。サイトエンジンではクライアント社内にある情報をデータとしていただくか、ヒアリングさせていただくことで、情報を補足することが多いです。

また、以下のような項目を意識しながら作成します。
- ペルソナを意識した文章になっているか
- 記事概要が反映された文章か
- 見出しタイトルと内容が一致しているか
- 掲載予定サイトのトンマナにあっているか
- 一文が長すぎないか(目安、一文60文字)または短すぎて箇条書き風になっていないか
- 句読点が全くない、または多すぎるなど読みにくい文章ではないか
- 一つの見出し内で内容のブレはないか(必要のない例などが書かれていないか)
デザインとCMSへの投稿
レイアウトの変更や図表・イラストの挿入などをしてわかりやすくします。
SNSなどに投稿されたときの見た目に影響するため、アイキャッチ画像は必ず作成します。
CMSへ投稿するときには、カテゴリやmeta description、OGPなどを設定します。
データの分析とリライト、企画への反映
制作したあとに、1ページずつ成果を確認します。セッション数やコンバージョン数、検索エンジンでの順位など、あらかじめどの指標を追うのかを決めておきましょう。
データを分析して、改善の余地が大きそうなページは積極的に手を入れます。一度書いて終わりにするのではなく、リライトし続けて成果を伸ばしていくことが重要です。なお、失敗したコンテンツを改善して立て直そうとするよりも、ある程度成果が出ているものをさらに伸ばすという考え方で、リライトする対象を選ぶことを推奨します。
まとめ
今回は一般的な記事作成について概要を説明しましたが、こちらの記事ではサイトエンジンの記事制作フローについて詳細に解説しております。コンテンツ制作会社がどのようにコンテンツを作成しているのかご覧ください。
関連記事:高品質な記事を制作するためのコンテンツ制作業務の流れ
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集客施策として記事作成をご検討中の企業様はこちらも合わせてご覧ください。
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