コンテンツマーケティングにおいて、インタビュー記事の重要度は上がりつつあります。自身の経験・体験が組み込まれていない記事、いわゆる「コタツ記事」は生成AIで用意に参入できるようになってしまいました。そのような時代で、取材して作成された「インタビュー記事」は、AIには作れない1次情報によるコンテンツ。独自の価値を保持し続けることができます。
そういうわけで、弊社でもインタビュー記事のご相談が増加しています。先ほど「AIにできないこと」と言ったばかりではありますが、インタビュー原稿の制作過程でAIツールを使ってみたので、「どんなツールを」「どのように使ったのか」といった点を紹介したいと思います。
音声文字起こしにAIツールを使用する
まず多くのライターや編集者のみなさまが期待しているであろう、文字起こしへのAIツールの活用について。
今回は「オフラインでのインタビュー」における音源を、Nottaというツールを使って文字起こしをしてみました。

Nottaの画面はこんな感じ。UIはわかりやすく、迷わず作業することができます。弊社ではプレミアムプランを使っていますが、無料プランもあるので使用感をお試しすることも可能です。
……ただし、今回は残念ながら「そのまま使える」レベルの文字起こしはできませんでした。主な課題は以下のような点です。
- インタビュアーとインタビュイーの発言がうまく区別されない
- 発言が被る部分の処理がぐちゃぐちゃ
- 言葉尻が聞き取れていない
- 専門的な用語を間違った表記で文字起こしする
しかしZoomなどを使ったオンラインのインタビューであれば(音声ファイルの処理的に)発言者が明確なため、いくつかの課題は解決できそうなこと、そしてうまく聞き取れていない部分があるにしても、イチから人力で文字起こしするよりは楽、といったことは言えるでしょう。
実際、弊社のメンバーが外部ライターに対して行った「AI文字起こしを使ったインタビューライティングの感想」のアンケートでは「手直しは必要だが、単純にタイピング数が少なくなる分、時間短縮はできる」といった声が聞かれました。
AIで文字起こしした原稿を、チェックツールに使う
実は、今回主にお伝えしたいのは「AI文字起こしをチェックの材料として使う」という方法です。
サイトエンジンでは、インタビューを行う前に「質問票」を作成しています。このインタビュー記事で伝えたいことは何なのか、そのためにはどのような質問を用意する必要があるのかを事前にすり合わせ、前もって文書での回答もしていただきます。本番のインタビューではその質問票をなぞりつつ、より深掘りした内容を聞いていくことがほとんどです。
しかし、ライターから上がってきた原稿には、まれに「質問票にある質問が原稿に反映されていない」あるいは「実際の発言と異なることが書かれている」といったことがあります。
このような問題が起こっていないか、入念に確認するのが、サイトエンジンのディレクターの仕事のひとつでもあります。この時にAIツールを使うととても便利です。
AIツールを使った原稿チェックのやり方
インタビュー原稿チェックの際に用意するのは3つのテキスト。
- A:質問票
- B:AI文字起こし原稿
- C:ライターから上がってきた原稿
これらを用意しておき、ChatGPTに以下のような指示をします。
事前に作成した質問票(A)に従ってインタビューを行いました。AIによる文字起こし(B)と、ライターから上がってきた原稿(C)があります。これらを用いて
・質問票(A)で質問予定だったのに、完成原稿(C)に含まれていない要素があるか確認
・実際しゃべっていたこと(B)から改変されていることがないか確認
をしてください。
このプロンプトによって、AIが「含まれるべきなのに含まれていない要素」「改変されている可能性のある要素」をリストアップしてくれます。このような使い方をする分には、現状のAI文字起こし原稿でも十分です。
もちろんこちらも、目視による確認が必須です。しかしAIによって「特にチェックが必要なポイント」をリストアップしてもらえることで、うっかり見逃したり、問題がない部分を不必要に入念に読み込むことがなくなり、結果的にチェックの時間短縮・精度向上につながります。
また「含まれるべきなのに含まれていない要素」を追記しなければいけない場合は、質問票を元に「この内容を短くまとめて原稿に組み込んで」と追記文章を考えてもらうこともできますし、すでに公開済みの同じクライアントの記事がある場合は「このURLをチェックして、この原稿と表記が違う単語があれば教えて」といった頼みごとをすることもあります。もちろん単純な誤字脱字チェックにも、AIツールはとても便利です。
「人間が得意なこと」と「人間が苦手なこと」を使い分ける
コンテンツマーケティングにおいて、インタビュー記事の重要度は上がりつつあります。それは「AIにはできないことだから」という点がとても大きいことは事実ですが、その一方、AIを使って「人間が苦手なことを手伝ってもらえる」ことも事実です。
サイトエンジンでは「人間にしかできないこと」「AIに任せた方が効率的なこと」を上手に使い分け、業務の効率化と納品物の品質向上に努めています。インタビュー記事をはじめとしたWeb集客コンテンツ制作をお考えの際は、ぜひサイトエンジンにお声掛けください。AIを使い倒しながら良い記事を納品し、貴社のWeb集客をサポートします。