こんにちは。サイトエンジンの橋本です。
Googleから、スモールビジネスの成長を支援する最新の「Googleビジネスプロフィール活用プレイブック」が公開されています。
事業ごとにいくつかの種類がありますが、今回はその中でも、特にインバウンド需要で注目が集まる「ホテル・宿泊事業者向けガイド」の内容を詳しくご紹介します。(なぜなら今問い合わせが多いからです・・・)
業種別「公式プレイブック」が登場!
今回、Googleは特定の業種に特化した専用ガイドを公開しました。(Linkedin/Google Small Business)自分の業種に最適なツールや機能を使いこなすことで、事業成果に差が出ます。
対象となっている主な業種:
・飲食店・カフェ
・ホテル・宿泊施設
・ツアー・アクティビティ
・サービス業(水道修理、清掃など)
※上記に当てはまらない場合でも、全業種共通の「一般ビジネス用プレイブック」が用意されています。まずは自社の業種に合わせた設定ができているか確認しましょう。
ホテル向けプレイブックの内容:10のチェックポイント
プレイブックでは、Googleビジネスプロフィール(以後GBPにします。)最適化のために取り組むべき項目を10のポイントに整理しています。
1. ビジネス情報の正確性を確保する
GBP最適化の最も基本的なステップです。ホテル名、住所、電話番号、営業時間、ウェブサイトURLなどの基本情報が正確かつ最新であることを確認しましょう。
プレイブックでは、プロフィールが完全に入力されているビジネスはクリック数が7倍、定期的に更新しているビジネスは閲覧数が5倍になるというGoogle内部データが示されています。また、詳細なプロフィールを持つビジネスに対して購入を検討する顧客が29%増加するとも紹介されています。
確認すべき項目は、ビジネス名、ビジネスカテゴリ、ビジネス説明文、営業時間、写真・動画、サービスエリア、ビジネス属性、メッセージ用の電話番号の8項目です。

引用:How Hotels can make the most of Google
2. ビジネスカテゴリを適切に設定する
カテゴリ設定はGoogleへの直接的なシグナルとなり、関連する検索結果に表示されるかどうかを左右します。
ホテルの場合、プライマリカテゴリに「リゾートホテル」「ホテル」などを設定し、セカンダリカテゴリで提供する他のサービス(例:「レストラン」「スパ」など)を補完します。
3. 併設施設を別プロフィールとして登録する
ホテル内にレストラン、スパ、バーなどの独立した施設がある場合、それぞれに個別のGBPを作成することが推奨されています。
これにより、各施設が「レストラン」「スパ」などの個別の検索にもヒットするようになります。さらに所在地をホテル本体のプロフィールとリンクすることで、施設間の関係性をGoogleに伝えることができます。宿泊客以外の利用者にもリーチできるようになるため、集客の幅が広がります。
4. ホテルハイライト(アメニティ情報)を管理する
Googleは検索結果やマップ上でホテルのアメニティをアイコン付きで表示します。「無料 Wi-Fi」「ペット同伴可」などのハイライトは、宿泊先を比較検討するユーザーにとって重要な判断材料です。


他にも、チェックイン・チェックアウト時間やホテル情報などの属性を直接編集できます。
5. 写真・動画を追加する
ビジュアルコンテンツはユーザーの意思決定に直結します。客室タイプ、施設の外観・内観、レストラン、アメニティなど、ホテルの魅力を伝える高品質な写真や動画を積極的にアップロードしましょう。

6. Google投稿を活用する
Google投稿は、タイムリーな情報更新、キャンペーン、イベント情報をGBP上で直接発信できる機能です。プレイブックによると、オンラインでビジネスを検索する顧客の50%がプロモーションや割引を探しており、「近くのユニークな体験」に関する検索は前年比100%以上増加しています。
ベストプラクティスとして、関連キーワードの活用(例:お得なプランの情報など)、魅力的なビジュアルと説明文・日付の記載、週1回以上の投稿頻度、そして「最新情報」「イベント情報」「ご提案」の3種類の投稿タイプの使い分けが挙げられています。

7. ソーシャルリンクを追加する
SNSアカウントをGBPにリンクすることで、オンラインプレゼンスを強化できます。Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、YouTubeのリンクを優先的に追加することが推奨されています。2026年のGoogleではAIがSNSの情報も参照してビジネスの活発さや信頼性を評価するようになっているため、この設定の重要性はさらに高まっています。
8. チャットリンクを設定する
WhatsAppやSMSによるチャット機能をGBPに追加することで、顧客がプロフィールから直接メッセージを送れるようになります。
【日本での運用に関する注意】 このプレイブックではWhatsAppとSMSが中心的に紹介されていますが、日本国内のユーザー向けにはこれらの利用率は高くありません。日本ではGoogleマップアプリ内の専用チャット(メッセージ機能)が主流です。
一方で、WhatsAppは欧米や東南アジアの旅行者には非常に馴染みのあるツールです。そのため、インバウンド(外国人観光客)対策としてWhatsAppチャットを設定しておくことは有効な施策になります。国内の宿泊客向けと訪日旅行者向けで、コミュニケーション手段を使い分ける視点が重要です。
9. 無料予約リンクを有効にする
Free Booking Links(無料予約リンク)を使って、OTA(オンライン旅行代理店)を介さずに直接予約への導線を確保する方法が紹介されています。
【「価格を比較」画面の仕組みを理解しよう】

Googleでホテルを検索すると表示される「価格を比較」の料金一覧には、実は2つの異なる仕組みが混在しています。画面上部に「スポンサー・おすすめのオプション」として表示される枠は、Google Hotel Ads(有料広告)です。OTAやホテルがGoogleに広告費を支払って上位に掲載しているものです。一方、その下に並ぶ料金一覧の中にFree Booking Links(無料枠)が含まれます。つまり、同じ画面内に有料広告と無料枠が共存している構造です。
多くのホテルでは、この一覧にExpediaやBooking.comなどOTAの料金だけが並んでいる状態になっています。しかし、Free Booking Linksを有効にすると、ここに「公式サイト」として自社の直接予約料金を表示できるようになります。ユーザーから見て「公式サイトが最安」と一目でわかれば、OTAに手数料を支払わない直接予約を獲得できるチャンスが生まれます。この仕組みを活用するかどうかで、OTA依存度に大きな差がつきます。
【日本での運用に関する注意】 Free Booking Linksは日本でも実装済みですが、利用にはGoogleと提携している事業者との連携が必要です。日本の宿泊施設向けシステム(ねっぱん!、TL-リンカーンなど)の多くが対応していますが、システム未導入の場合は設定ができません。まずは自施設で利用しているサイトコントローラーやPMSがGoogle Free Booking Linksに対応しているかを確認しましょう。
10. 口コミを管理・返信する
口コミは現代のビジネスにおいて不可欠です。プレイブックでは、91%の消費者がローカルビジネスの評価に口コミを利用し、65%の消費者が口コミに返信しているビジネスを選ぶ傾向があるとされています。
ポジティブな口コミにもネガティブな口コミにも丁寧に返信することが重要です。また、GBP上で口コミ用のQRコードを作成し、フロントデスクやレシート、客室内に設置してレビューを促進する方法も紹介されています。
日本のホテルが見落としがちな「伸びしろ」ポイント
プレイブックの内容は基本的にグローバル共通ですが、日本の宿泊施設で特に取り組みの余地が大きいと感じるポイントがあります。
・ソーシャルリンクの追加は「やっていない」施設が多い。
Facebook、Instagram、X、YouTubeなどの公式SNSアカウントをGBPに紐付けている日本のホテルはまだ少数です。設定自体は数分で完了する簡単な作業ですが、GBPインプレッションやクリック数の向上に直結するデータが出ており、対応していない施設にとっては手軽に成果を出せる施策です。
・併設施設(レストラン・スパなど)の個別登録も見落とされやすい。
ホテル内のレストランやスパを「Located In」で紐付けて個別のGBPとして登録すれば、「○○エリア レストラン」のような検索にもヒットするようになります。宿泊客以外の利用者にもリーチできるため、特に都市部のホテルでは集客の幅が大きく広がります。
・口コミ用QRコードの活用もまだこれから。
GBP上で口コミ投稿用のQRコードを直接生成できる機能は、フロントデスクや客室、レシートなどに設置することでレビュー数を効率的に増やせます。日本のホテルでは口コミ促進の仕組みが整っていないケースが多く、ここにも改善の余地があります。
これらはいずれも追加コストがほとんどかからず、設定の手間も小さい施策です。プレイブックの10項目すべてに取り組むのが理想ですが、まずはこうした「伸びしろ」の大きい部分から着手するのも効果的です。
インバウンド対策でこれもやっておこう!GBPの「多言語化」戦略
プレイブックでは直接触れられていませんが、インバウンド需要を取り込むうえで避けて通れないのがGBPの多言語対応です。実は、Googleビジネスプロフィールには「言語別に情報を登録する」専用の入力欄は存在しません。しかし、Googleの仕組みをうまく活用することで、外国人旅行者への訴求力を大きく高めることができます。
Googleマップの言語切り替えで「正しい英語名」を登録する
最も見落とされがちですが効果の大きい施策が、言語設定を切り替えた状態でビジネス名を登録する方法です。
Googleマップには、ユーザーの言語設定に合わせた名称を保持する仕組みがあります。自分のスマートフォンやブラウザの言語を「English」に切り替えた状態で、Googleマップ上から自施設のビジネス名を編集(提案)すると、英語環境での正式名称として認識されやすくなります。同様に、中国語(簡体字・繁体字)や韓国語などの設定でも行えます。


※英語設定の際に名称が日本語のままになってしまっている例。
これを行わないと、Googleの自動翻訳が不自然な名称を表示してしまうケースがあります。「Hotel ○○」のような英語表記を意図した通りに表示させるためには、この手順を踏んでおくのがおすすめです。

ただし、登録する名称は看板や公式サイトで実際に使われているものである必要があります。検索に引っかけるためにキーワードを詰め込みすぎると、ポリシー違反(名称の不一致)とみなされるリスクがあるため注意してください。
ビジネス説明文に英語を併記する
ホテルの概要を記載する「ビジネス説明(Description)」は、Googleの自動翻訳に完全に頼ると、ニュアンスが正確に伝わらないことがあります。日本語の説明の後に、要点を英語で追記しておくのが効果的です。
例えば、「温泉付きの伝統的な旅館で、駅から徒歩5分。/ A traditional Japanese ryokan with hot spring baths, a 5-minute walk from the station.」のように併記することで、自動翻訳頼みでは伝えきれない施設の魅力を正確に届けられます。
Google投稿を多言語で行う
前述の通り、Google投稿の内容はGoogleによる自動翻訳の対象外です。つまり、日本語だけで投稿していると、外国語で検索している旅行者にはその情報が届きにくくなります。
英語などの多言語で投稿を行うことで、2つのメリットがあります。まず、「Weekend Escape Package」「Special Offer」「Happy Hour」といった英語キーワードを含めることで、海外ユーザーの検索にヒットしやすくなります。次に、多言語で情報を発信していること自体が「外国人客を歓迎している」という強いシグナルになり、予約のハードルを下げます。
運用としては、毎週の投稿を日本語と英語で交互に行う方法や、1つの投稿内に日本語と英語を併記する方法があります。いずれもGoogleが推奨する「週1回以上の投稿」のペースを守りながら無理なく取り組めます。
クチコミへの返信も多言語で
外国語で書かれたクチコミに対して、その言語で丁寧に返信することは、他の海外旅行者に対して「このホテルは外国人対応に慣れている」という信頼を生みます。プレイブックでも、クチコミに返信しているビジネスは65%選ばれやすくなるとされており、英語や中国語のレビューにはできるだけその言語で返す価値があります。
まとめ:GBP最適化は「やるか・やらないか」の差が大きい
今回のGoogle公式プレイブックが示す内容は、特別に新しいテクニックというよりも「基本を徹底的にやり切る」ことの重要性です。しかし実際には、これらをすべて網羅的に実行できているホテルは少数派です。
特にインバウンド需要が拡大する中で、外国人旅行者との接点として最初に機能するのがGoogleの検索結果です。GBPの完成度がそのまま予約数や問い合わせ数に直結するため、今こそ見直しのタイミングと言えます。
サイトエンジンでは、ホテル・宿泊施設のGBP最適化を含むデジタルマーケティング支援を行っております。「何から手をつければいいかわからない」「自社のGBPが適切に設定されているか不安」という方は、お気軽にご相談ください。
なお、ビジネスプロフィールのもっと基本的な設定が知りたいよ!という方はGoogleビジネスプロフィこちらのGoogleビジネスプロフィール ヘルプセンターで詳しく解説されています。あわせてご活用ください。
