Googleの革新的AI「Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)」徹底解説!

2025年9月5日

先日Googleは画像生成・編集の分野に革命をもたらす新たなAIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:Nano Banana)が正式にリリースされました。このAIは、従来の画像生成ツールが抱えていた課題を克服し、クリエイティブな作業を劇的に効率化する可能性を秘めています。
Youtubeでも紹介した内容をここで改めて解説しています。Youtubeの方が見やすいわー、という方は以下からどうぞ

本記事では、実際に、Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)を使ってみた様子と機能、特徴について詳しく解説します。

Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)とは?

画像:https://developers.googleblog.com/ja/introducing-gemini-2-5-flash-image

Gemini 2.5 Flash Imageは、Googleが開発した最先端の画像生成・編集AIです。Google AI Studioでは「Top-rated image generation and editing model(最高レートの画像生成モデル)」として紹介されており、その最大の特徴はキャラクター一貫性の維持にあります。複数のプロンプトや画像にまたがっても、人物やオブジェクトの外見的な特徴を驚くほど正確に維持することができます。

現在すぐに試せるのがGoogle AI Studio(https://aistudio.google.com/)。Googleが開発している様々な最新のAIエージェントを試せるサイトで、GoogleのアカウントがあればだれでもGeminiをはじめとしたAIを活用することができます。

このサイトで、画面右上のMedel selectionから、Gemini 2.5 Flash Image Previewを選んでください。

実演デモで見る驚異の編集能力

編集例1. 複数の写真を合わせて新たなイメージを生成

「写真の男性を2枚目の画像の服装の物に変えてください。全身の写真に変更してください」というプロンプトを投げた結果が下です。

男性の顔の角度なども変わっていますが、一貫性が維持されています。すごい。

編集例2.プロンプトのみでシーンの変更

「この写真のシーンをお金を支払っているシーンに変更してください」という指示で作成。若干違和感はあるもの、同一の人物で別のシーンが作成されました。

続けて「先ほどのカフェでお支払いをしている女性の飲み物をこのジュースに変更してください」と入れてみたところ、お札の上にジュースがのるという不自然な結果に。果物も影がおかしく、急に合成されたようなイメージになりました。プロンプトはある程度丁寧に出さないとダメ見たいです。

こちらもプロンプトのみでシャツとポーズ、表情の変更が完了。もう本人と見分けがつかないくらいのクオリティです。腕や肩の高さなどに合わせ、洋服のしわも変更されています。

注目すべきポイントは、その創造性と一貫性のバランスです。今まではシーンやポーズの変更などを行う場合、AIがプロンプトに従って創造的な部分を作る工程でモデル当の一貫性が失われていました。逆に一貫性を維持しようとすると大きな変化ができない、というジレンマがありました。今回のモデルはこれらの問題を一挙に解決していると言えます。

編集例3. 風景の時間帯変更:昼から夕方へ

風景編集デモ

港町の風景を昼間から夕方に変更するしてみました。このデモでは、「街並みを夕方の風景にしてください」というシンプルなプロンプトで、昼間の港町風景を美しい夕焼けシーンに変換しています。

建物の構図と配置を完全に保持したまま、わずかな時間で風景の時間帯を変更できました。観光施設や観光地の風景を扱うような際は、様々なバリエーションを即座に作ることができそうです。

4. 複数の画像を一括処理

プロンプトひとつで複数の画像の生成も成功。ECなどのウェブサイトでは、1枚のモデルカットから利用シーンを多数展開するといったことができそうです。

4. Google AI Studioでの実際の設定について

Google AI Studio操作画面

Google AI Studioの実際の操作画面

実演動画では、Google AI Studioの実際の操作画面も確認できます。(https://www.youtube.com/watch?v=TfUaKf0xzTU&t=9s

右側のパネルには以下の設定項目が表示されています:

•Token count: 0 / 32,768(利用可能トークン数)

•Temperature: 創造性の調整スライダー。数が大きいほど創造性が増す。

•Safety settings: 安全性に関する設定。暴力的な画像など、いやゆるエログロに関する制御などを行います。

•Output length: 出力ために使うトークンの最大値

•Top P: 回答の多様性。数値が小さいほどよくある回答=ありふれた回答を選ぶ。

Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)の特長

改めて、Gemini 2.5 Flash Imageの特長を細かくご説明します。

キャラクター一貫性の実現

キャラクター一貫性

これまで、同じキャラクターを異なるシーンやポーズで生成しようとすると、顔や服装が微妙に変わってしまうという課題がありました。しかし、Gemini 2.5 Flash Imageは、この問題を解決し、まるで同じモデルを撮影したかのような一貫性を保つことを可能にしました。

世界知識とマルチ画像融合

世界知識とマルチ画像融合

Gemini 2.5 Flash Imageは、Geminiの広範な世界知識を活用し、画像の内容を意味的に理解します。手書きのスケッチを解釈したり、複数の画像を自然に融合させたりすることも可能です。これにより、クリエイターはより直感的に、そして自由にアイデアを形にすることができます。

技術仕様とビジネスへのインパクト

高速処理と低コスト

技術仕様

実演デモで確認された処理時間は約23秒でしたが、これは複雑な風景変換の例です。Gemini 2.5 Flash Imageは、1〜2秒という驚異的な速さで多くの画像生成・編集を実行できます。また、画像1枚あたり約$0.039という競争力のある価格設定も魅力です。

商用利用と著作権

商用利用

Google AI StudioやGemini APIを通じて生成されたコンテンツは、完全に商用利用が可能です。著作権はユーザーに帰属するため、ビジネスやクリエイティブなプロジェクトに安心して活用できます。ただし、生成された画像にはSynthIDと呼ばれる電子透かしが埋め込まれ、AIによって生成されたことが識別可能になっています。

アクセス方法

プラットフォームアクセス

Gemini 2.5 Flash Imageは、以下のプラットフォームを通じて利用できます:

•Google AI Studio: ブラウザから無料で手軽に試せます

•Gemini API: 開発者は自社のアプリケーションに機能を統合できます

•Vertex AI: エンタープライズ向けの高度な機能を提供します

実演動画から見えた実用性

今回実際に使ってみて、その精度にかなり驚かされました。圧倒的なキャラクター一貫性、自然言語による直感的な編集能力、そして実用的な処理性能は、クリエイターや開発者はもちろん、マーケティングや広告、エンターテイメントなど、あらゆる分野で活躍しそうです。

Google AI Studioを通じて無料で試すことができるため、まずは実際に体験してみることをお勧めします。画像生成AIの進化を肌で感じることができると思います。

弊社では、内製化支援の一環として「生成AI活用支援セミナー・研修」を行っています。
【企業向け】生成AI活用支援セミナー・研修

Geminiの機能についてさらに知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください。
Gemini×スプレッドシートを活用したGoogle広告・Meta広告の横断分析・考察

橋本直矢

この記事を書いた人

橋本直矢

サイトエンジン株式会社 COO / コンサルタント Webマーケティング従事歴20年以上。株式会社ベルーナでの商品企画・物流管理、輸入商社でのEC事業統括(10年)を経て、2016年よりサイトエンジン株式会社に入社。 現在はSEO、コンテンツマーケティング、サイト構築、広告運用など、上流の戦略立案から戦術実行までを包括的に支援。 EC、金融、医療、ITなど幅広い業界に精通し、大手企業から中小企業まで、顧客の組織体制に合わせた柔軟なコンサルティングが強み。 前職での事業責任者としての経験を活かし、単なる集客支援に留まらず、経営視点での「売上拡大と業務効率化」の両立をサポート。現在は事業統括責任者として、チームコンサルティングおよび自社サービス開発を担当している。

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