コンテンツ制作ブログ

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コンテンツマーケティングの効果測定、アクセス解析の方法をフェーズごとに紹介

2021年1月29日

サイトエンジンではコンテンツ制作代行の業務をしていますが、お客様から効果測定についての質問をいただくことが多いです。そこで、どのようにコンテンツマーケティングの効果を測定すればよいかをご紹介します。オウンドメディアの状態によって、計測方法を変えていくことを推奨しています。

コンテンツ制作の費用対効果をどうやって計測するか

コンテンツの費用対効果は主に以下の指標で計測します。KGIとして設定される数値です。

  • 売上
  • コンバージョン数(購入、トライアル利用登録、問い合わせ、資料請求など)
  • 来店者数(店舗のあるビジネスの場合)

これらの指標に付随したものとして、以下のような指標がKPIとなります。

  • ページビュー数(PV)、セッション数、ユニークユーザー数(UU)
  • コンバージョン率(CVR)
  • フォーム・カート到達率
  • フォーム・カート完了率
  • サービス・商品ページの閲覧数
  • 直帰率
  • 滞在時間
  • セッションあたり平均ページビュー数
  • SNSでのシェア数
  • 指名検索数
  • オーガニック流入数
  • サーチコンソールの表示回数
  • サーチコンソールでのクリック率(CTR)

データを活用して以下のようなことをします。

  • ページごとの結果からそれぞれの改善策を出す
  • ディレクトリやカテゴリごとの結果で、投資配分を決める
  • 全体をまとめて計測して、テーマの選定方法や品質アップのルーティンやライターの選び方などの方向性を見直す

コンテンツマーケティングのフェーズごとの効果測定方法の違い

具体的にどのように効果測定するのかは状況によって異なります。リード獲得や販売など、売上に直結するオウンドメディアを立ち上げるときのフェーズごとの計測方法の例を説明します。PVやUUが主な指標になる広告だけで収益をあげるオウンドメディアではなく、なんらかの自社ビジネスに繋げるためのオウンドメディアを想定しています。

あくまでも1つの例です。ここに書いてある記事数は鵜呑みにしないようにしてください。

ドメインパワーの高低、チーム内に経験者がいるか、ユーザーニーズのデータがあるか(過去の広告データ、購買など行動データ、アクセス解析データなど)といった状況で適切なフェーズ移行のさせかたは変わります。

以下はここであげたドメインパワーやチーム内の経験者などがいずれもない場合を想定した数字です。

立ち上げ期(開始直後から50記事程度まで)

計測の重要性はそれほど高くないです。なぜなら、十分な量のデータが貯まっていないため、正しい判断に繋がらないからです。特に、完全に新規のドメインでサイトを立ち上げた場合には、まずは量をこなすところだけに注力したほうがよいです。少量の記事だけでアクセス解析をチェックすると、良かった場合でも悪かった場合でもたまたまでしかありません。

もし私がメディアの責任者なら、立ち上げのタイミングでは計測してレポートを作成するようなことは一切しないです。

追う指標(KPI)

  • 記事数

最低限の記事が貯まったタイミング(50~100記事程度)

ある程度記事が貯まってきたときに、セッション数を見ます。記事が増えるにしたがって、右肩あがりで数字が伸びているかをざっくり見るだけで十分です。

記事数が増えているにもかかわらずセッションが横ばいになっていれば、コンテンツ制作方法が間違っていますので、やり方を大きく見直す必要があります。

追う指標(KPI)

  • 全体のセッション
  • 記事あたりの平均セッション
  • 記事あたりのオーガニック検索経由セッション
  • 平均順位
  • 検索結果のクリック率(CTR)

上手くいく記事の傾向がつかめてきたタイミング(101~200記事程度)

上手くいく記事の傾向がつかめてきたら、そのなかでコンバージョンに貢献しているページを見つけます。セッションやPVではなく、コンバージョン数で記事を並べてみましょう。

そして、コンバージョンにつながっているコンテンツに類似したもので、ほかに作れそうなものを順番に作成していきます。

なぜこのタイミングでコンバージョン率を気にしはじめるかと言うと、集客の母数がある程度ないと、1.まとまった量のセッションを集めてからでないとコンバージョン率の改善に時間がかかりすぎる、2.コンバージョン率を計測して改善してもそれほど影響がなく費用対効果が悪いことなどが理由です。

たとえば、毎日1,000,000セッションあればコールトゥアクション(CTA)の内容や配置を変更した当日か遅くとも翌日には、変更によって改善されたかどうかを判断するのに十分なデータ量が貯まります。一方で、毎日100セッションしかなければ判断に必要なデータ量がたまるまでに日数が必要です。また、CTAの改善をするための作業工数は1,000,000セッションのサイトでも100セッションのサイトでもそれほど大きな差はないため、前者のほうが圧倒的に実験に対する費用対効果が高くなります。

追う指標(KPI)

  • 全体のコンバージョン率(CVR)
  • コンテンツごとのコンバージョン率(CVR)
  • コンバージョン数

軌道に載ったあとの量産と過去コンテンツ改善(201記事目以降)

100~200程度書く途中で、セッションの伸び方の角度が変わるタイミングがあります。このあたりで成功する記事の傾向がつかめているかと思います。また、制作の業務フローや体制も構築できているでしょう。

このタイミングで実施するのは、記事テーマとなるニーズの調査方法の変更と、全体の品質を維持したままペースをあげていくことです。全体の記事品質を保つには、過去記事のリライトが重要となります。

追う指標(KPI)

  • 月間記事数
  • リライト記事数
  • コンバージョン数
  • セッション
  • 顧客の声を集めて記事にした数
  • 狙ったキーワードでの順位

まとめ

フェーズにあわせて計測する指標とリソースを変化させていくことが大切です。

データを見ても、それを行動に反映させることができなければ、成果にはつながりません。集計するのにも時間がかかり、その分コンテンツの企画制作にあてられる時間は減ってしまいます。実践と振り返りの時間配分のバランスを常に意識して調整していきましょう。極端な例をあげると、まだ1ページしか作っていないのにGoogleアナリティクスやサーチコンソールをどんなに分析しても行動に活かせることは少ないです。

解析の方法を切り替えるタイミングなどの検討材料として、以下の記事もあわせてご覧ください。コンテンツマーケティングの成果が出るまでの期間の目安を解説しています。
コンテンツマーケティングはどれくらいの期間で効果がでる?(SEOでの集客がメインの場合)

サイトエンジンでは、ある程度まとまったロットでコンテンツ制作をご発注いただいているお客様のうち希望されている方には効果測定を付加サービスとして提供しています。コンテンツ制作を提供したあとにGoogleアナリティクスやサーチコンソールの閲覧権限をいただいて、指定のフォーマットでアクセス解析レポートを提出しています。

以下はレポートのサンプルの一部です。GoogleアナリティクスとサーチコンソールのデータをGoogleデータポータルで出力して30ページほどで作っています。他にも競合との差分がどれだけ埋まったか、広がってしまったかなどの分析データを出すこともあります。

ユーザー分析レポート
新規率・直帰率分析
ランディングページの評価

解析のサービスは6ヶ月間契約で、月額15万円、30万円、80万円で3つのプランを用意しています。コンテンツマーケティングのノウハウを内製化していきたいとお考えの方はぜひご相談ください

Googleデータポータルの使い方!テンプレートの活用やフォーマット例

毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。 Twitter

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