GoogleアナリティクスのMCPサーバーが公式から発表されましたのでさっそく試してみました。私は非エンジニアで公式の「Setup instructions」という説明の箇所を読んでも知識がなさすぎてよくわからなかったので、ソフトをインストールせずに済む簡単な方法をGeminiに聞きながら試してみました。実験した内容をもとに、ブラウザだけで設定して動かす方法を紹介します。
とりあえず動かしてみたといった状態なので、技術をわかっている方々が見ると、正しくない設定方法が含まれている可能性があります。
目次
GoogleアナリティクスのMCPサーバーで何ができるのか
GoogleアナリティクスのMCPサーバーで何ができるようになるかを簡単に説明すると、テキストで指示するとGA4の中に入っている探している数字を出力してもらえるようになります。また、AIに質問して参考意見を出してもらうことができます。Googleによるデモ動画では、予算を伝えて売上伸ばすためにはどうすればよいか教えてもらうといった使い方が紹介されていました。
GA4の探索レポートを使い慣れていなくて、どのディメンション・指標を選んでレポートを作れば希望のデータになるのかわからないという方にとって特に便利な機能になるかと思いました。また、GA4からCSVなどでデータを出力して、AIに渡して分析をお願いする使い方をされていた方は、手間を減らすことができます。
Google Cloud Shellを使ったGoogleアナリティクスのMCPサーバーの設定方法
1.Google Cloudの登録
Googleアカウントにログインしている状態で、クラウド コンピューティング サービス | Google Cloud にアクセスします。すでにアカウントをお持ちの方は「2.プロジェクトの設定」に進んでください。
次に、右上の「無料で利用開始」を押します。

同意して続行を押します。

「新しいお支払プロファイルを作成する」を押します。

情報を入力して「作成」を押します。

次に「お支払い方法を追加」を押して、クレジットカード情報を登録します。カード情報を追加したら、「無料で利用開始」を押します。

以下が表示されます。「閉じる」を押します。

ここまででGoogle Cloudのアカウント開設は終わりです。
2.プロジェクトの設定
次にプロジェクトを設定します。
左上の「My First Project」をクリックします。

右上の「新しいプロジェクト」をクリックします。

「プロジェクト名」の箇所に識別しやすい任意の名称を入力します。ここでは、”Google Analytics MCP”という名称にしています。
「作成」をクリックします。

ここまででプロジェクトが作成されました。次に、操作するプロジェクトを切り替えます。
左上の「My First Project」をクリックし、表示された一覧からいま作成したばかりのプロジェクト名をクリックします。

3.APIとCloud Shellの利用設定
以下に2つのURLにアクセスして、Google Analytics Admin APIとGoogle Analytics Data APIを有効にします。
https://console.cloud.google.com/apis/library/analyticsadmin.googleapis.com
https://console.cloud.google.com/apis/library/analyticsdata.googleapis.com
いずれもアクセスしたあとに、「有効にする」を押すだけです。

次にCloud Shellを使えるようにします。コンソールの画面の中央上部にある検索窓をクリックします。

検索窓にcloud shellと入力して、候補として表示される「Cloud Shell エディタ」を選択します。

「続行」をクリックしてください。

「承認」をクリックします。

再度認証の画面が開きます。パスワードを入力して「次へ」を押します。

ここまでで必要なAPIとCloud Shellが使えるようになりました。
4.Google CLIとGoogle Analytics MCP Serverの設定
Cloud Shellの画面で、「ターミナルを開く」をクリックします。

pipxというものを設定します。以下をコピペしてENTERを押してください。以降、すべてコピペしたあとにはENTERを押してください。
pip install --user pipx
python3 -m pipx ensurepath
次に、以下を入力してください。
npm config set prefix '~/.npm-global'
echo 'export PATH=~/.npm-global/bin:$PATH' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
次に以下を入力します。
npm install -g @google/gemini-cli
最後に以下を入力すると正常に入ったかを確認できます。
which gemini
gemini --version

次に以下を入力します。
git clone https://github.com/googleanalytics/google-analytics-mcp
以下を入力します。
cd google-analytics-mcp
最後に以下を入力してインストールします。
pip install .

5.認証設定
認証を設定します。以下を入力します。
gcloud auth application-default login \
--scopes=https://www.googleapis.com/auth/analytics.readonly,https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform
以下のような表示になるので、Yを入力してENTERを押します。

URLが表示されるのでクリックします。

認証の画面になりますので、いま使っているアカウントを選択します。

「すべて選択」にチェックを入れて、「続行」をクリックします。

「Copy」をクリックします。

URLクリックする前の画面に戻ってコードをペーストします。

Yを入力してENTERを押します。

6.設定ファイルの記入
以下を入力します。
mkdir -p ~/.gemini/
次に、以下を入力します。
nano ~/.gemini/settings.json
開いたエディタに以下をコピペします。
{
"mcpServers": {
"analytics-mcp": {
"command": "pipx",
"args": [
"run",
"--spec",
"git+https://github.com/googleanalytics/google-analytics-mcp.git",
"google-analytics-mcp"
]
}
}
}

CTRL+Xを押して、Yを入力してENTER、最後にもう一度ENTERを押します。以下の画像はCTRL+Xを押した際に左下に表示される部分です。

7.Google Analytics MCP Serverの利用
gemini と入力してENTERを押すと以下の表示がされます。

@analytics-mcp “先週のセッション数は?” @analytics_mcp/ 今週のセッション数は?のように入力すると、最初だけプロパティIDの確認が入ります。以下のような表示になるので、↓キーを使って選択してENTERを押します。なお、AIの出力する文章部分は毎回変わるため、以下の画像と同じにならない可能性が高いです。

プロパティの一覧が表示されるので、任意のプロパティの数字をコピーしてENTERを押します。CTRL+Cだと動かないので、ドラッグ、右クリックからコピーします。画像赤枠の部分の9桁の数字です。

以下のように結果が出力されます。なお、ご覧いただくとわかりますが、過去7日間のセッションを聞いているのに8日間だし、日付順ではなくセッション順になっているしで微妙なので、現時点ではかなり具体的に出力形式をプロンプト内で指定したほうがよいです。

以降は@analytics_mcp/などをつけなくても、回答してもらえます。
まとめ
GA4だと画面遷移が何回か必要になるデータをプロンプトですぐに出せるので、簡易的に数字を出したいときに便利です。
今後設定を保存しておく方法や他のツールにデータを渡す方法など、より良い使い方を模索していきます。
SQLを使ってデータを抽出したり、Looker StudioやPowerBIのようなBIツールを使ったりしなくても、他の解析ツールと連携して横断した集計結果を出力できるようになりますね。また、自動的にチャットやメールでレポート送るといったことも他のMCPとの組み合わせで実現するはずなので、積極的に使って業務改善していく予定です。
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