記事作成の手順 効果的な記事の書き方11ステップ

2025年11月6日

記事を書くときになかなか筆が進まなかったり、新しい記事を掲載したもののアクセスや売上が増えなかったりといった問題が発生した場合、みなさんはどうされていますか。いつもはスムーズに書けているのに、急に書けなくなってしまうことはありませんか?サイトエンジンではプロジェクトごとに複数名でチームを組み、毎月マーケティング目的の記事を100記事以上を作成しています。その経験をもとに、効果的な記事を書くためのおすすめの手順を紹介します。

営利目的の企業によるマーケティングや採用目的の記事を前提に説明します。そのため、小説やエッセイやニュースといった記事についての作成方法を知りたい方は参考にならないかと思いますのでご注意ください。

1. 目的を決める

これから書く記事を読んでもらうことで、「読者に何をしてほしいのか」「読者に何を求めるのか」といった目的を決めます。以下のように、記事の目的はさまざまです。

  • 商品やサービスを購入してもらう
  • 商品への問い合わせしてもらう
  • 資料請求してもらう
  • 商品の理解を深めてもらい、次のページを見てもらう
  • 商品や会社の存在を知ってもらう
  • 求人に応募してもらう
  • SNSでフォローしてもらう
  • メルマガに登録してもらう
  • ノウハウを知ってもらう

何か行動してもらうだけではなく、知ってもらったり、理解を深めてもらったりすることが目的の記事もあります。また、1つだけの目的ではなく、認知度アップ、リード獲得、採用応募数増加など複数の目的を設定することもあります。

まずは、何のために書く記事なのか、目的を決めましょう。

2. 想定読者を決める

目的を達成するためには「どのような人に読んでもらうのがよいか」を決めます。これを「想定読者(ペルソナ)を設定する」といいます。例えば、以下のような項目を考えて想定読者像を設定します。

  • 年齢・性別・家族構成・職業・年収・居住地域など
  • 抱えている課題や悩み
  • この記事をいつ、どこで、どのデバイスで読むのか
  • 直前に何を見て、何がきっかけでページに訪れるのか、SNS、広告、検索エンジンなど
  • ほかに見ていると思われるWebサイトや媒体

年齢・性別・家族構成といった人口統計学的な属性のことをマーケティング用語でデモグラフィック属性と呼びます。ただ、デモグラフィック属性だけを設定するのでは不十分です。なぜなら、デモグラフィックが同じでも、嗜好はバラバラでまったく違うためです。それでも設定するのは、マーケティング関係者のイメージを統一して、記事を書くときに参考するためです。

デモグラフィックでは足りないため、顧客の興味関心や課題、普段の行動なども、できるだけ細かく設定します。

ペルソナについてより詳しく知りたい方は以下を参照してください。
ペルソナとは?コンテンツマーケティングで必ず設定【ターゲットの人格化】

3. 想定読者が興味を持ちそうなことを列挙する

想定読者が興味を持っていそうな情報を網羅的に列挙します。例えば、以下のようなものです。

  • 使っているアプリ、SNS
  • 日常的に読んでいるWebサイト
  • Googleで検索するキーワード
  • YouTubeで登録しているチャンネル
  • InstagramやXでフォローしているインフルエンサー
  • Amazonや楽天などのECサイトでよく見るカテゴリ

といったことです。調べる方法としては、

  • 店頭など現場に行って顧客の行動を観察をする
  • 顧客や競合製品を購入している人にインタビューをする
  • 顧客や競合製品を購入している人にアンケートをとる
  • 営業やカスタマーサポートなど普段から顧客に接している社内メンバーに話を聞く
  • Webサイトやアプリを使ってもらってその様子を録画して分析する

などがあります。身近に想定読者となりそう人がいて、承諾してもらえるなら、その人の購入履歴や行動履歴などのデータを収集・分析してみることも有効です。

「2. 想定読者を決める」と「3. 想定読者が興味を持ちそうなことを列挙する」を実施する際にカスタマージャーニーマップを作ることもあります。カスタマージャーニーは自社と接点を持つ前の段階から顧客がどのように考え行動し、自社を知り、購入に至るのかといった一連の流れをマップにするものです。

なお、想定した順番通りに顧客の状態が移行していくことはほぼないです。ただ、製品購入に対する興味関心の度合いの深さに応じてどんな記事を書けばよいか、思考のぬけもれを無くすための材料にはなります。

カスタマージャーニーに興味がある方は、あわせて以下の記事も参照してください。
カスタマージャーニーマップの目的と作り方[動画解説あり]
実践!自分をもとに作るカスタマージャーニーマップのすすめ

4. どんな流入経路で見てもらうか決める

記事に流入してくる直前に見たサイトやアプリ、見ることになったきっかけによって、読者がどんな心理状態で記事を読むかは変わります。

例えば検索エンジン経由で集客するなら、読者は能動的に情報を探しているので、検索した目的を満たせるような詳細な説明が含まれている記事が向いています。
一方で、SNSで受動的に情報を取得している人に記事を読んでもらう場合、タイムラインでたまたま目にとまって目的意識を持たないまま「面白そうだから」「興味をひかれたから」といった理由で記事にアクセスしてくる可能性が高いと考えられます。そのため、SNSで流入した人にテキストが中心の長文を読んでもらうのは、検索エンジン経由の流入に比べると難しいかもしれません。

このように、読者の状態にあわせて記事を作成する必要があるため、おもにどのような流入経路で見てもらうのかを想定しておきます。

  • 検索エンジン(SEO)
  • 検索広告
  • SNS
  • SNS広告
  • ディスプレイ広告
  • メルマガ

5. 記事を企画してタイトルを決める

読者の興味や関心に沿った内容の記事を企画して、タイトルを決めます。読者が思わずクリックしたくなるようなタイトルをつけることは非常に重要です。世の中情報が溢れていますので、タイトルだけで読むか判断されます。そのため、特にSNSを集客経路として考えている記事では、良いタイトルかどうかは、本文に何が書いてあるか以上に数値に影響するといっても過言ではないでしょう。

記事を企画する際には必ず以下の点を明確にします。

  • どんな状態の人に向けたコンテンツか
  • 記事の概要
  • 読者が得るメリットは何か
  • 読み終わったあとにどのような行動をしてもらいたいか
  • 取材先や情報源となるデータなど、独自の記事にするための要素

生成AIを活用して記事企画をたてる方法についての解説を行っております。あわせてこちらもご参照ください。
社内情報をもとに生成AIで記事企画をたてる

6. 記事の流れ(ストーリー)を考える

次に記事の構成を考えます。h2やh3などの見出しの内容も仮で決めておきます。

それぞれの見出しにどのような内容を含めるか、役に立ちそうな想定資料やデータ、取材先などもまとめます。

見出しを通して読むだけで、記事の全体像がわかるようにすることがポイントです。読者は記事の上から順番に全文を読んでくれるわけではなく、自分が読みたい箇所を探しながら飛ばし読みします。また、目的の情報がすぐに見つからなければ離脱してしまいます。そのため見出しだけで内容がわかるようにすることで読者が情報を探しやすくすることが大切です。

7. 情報収集する

ここまでに決めた企画やストーリーを前提にしたうえで、記事に掲載するための情報を収集します。誰かにインタビューしてみたり、自分で体験してみたりといったことも有効です。情報収集を行う際には、まず一次情報に当たることが大切です。

情報収集したうえで、それぞれの見出しでどのようなデータや事実が裏付けになるのかを整理していきます。集まった情報によっては見出しを変更することもあるかもしれません。

8. 執筆する

わかりやすく簡単な表現で書きます。必要性のない専門用語は極力、避けるようにします。

読者は、興味のない内容の記事であれば、すぐに離脱してしまいます。冒頭で読者の目的に合致したページであることをアピールするような内容を書いておくことが重要です。

文章を書くときにはよく「起承転結を考えろ」といわれますが、Webサイトに掲載する記事にはそのまま適用しないことをおすすめします。なぜかというと、読者は期待している情報が掲載されていそうかどうかをすぐに判断し、ないと思えば離脱してしまうからです。たとえ最後にとっておきの結論が書かれていたとしても、記事の冒頭で離脱されてしまえば、結論が読まれることはありません。冒頭で結論のすべてを書く必要はありませんが、どのような情報が含まれているかはある程度わかるようにしておかなければなりません。

9. 画像や動画を入れる

テキストだけの記事は読みやすいとはいえません。途中に写真やイラスト、図表などを配置することで、記事内容を補足し、読者が視覚的にも理解しやすいように工夫することが大事です。テキストと画像だけでは説明が難しくて理解してもらいにくい情報の場合には、動画を用意してページ上で視聴できるようにすることも効果的です。

10. 推敲、校正・校閲をする

最後に、文章をよりよくすることができないかを見直します。誤字・脱字や文章がおかしなところを修正するのはもちろん、不足している情報や説明不足な箇所がないかをチェックします。

書いた内容が事実に反していないか、本当にそうなのかどうかは、複数の情報源でチェックするようにします。特に(一次情報を取ることができず)やむを得ず二次情報を参考にして執筆した箇所は念入りに事実確認を行います。

推敲や校正・校閲を行う際は、できるだけほかの人に協力してもらうことをおすすめします。ひとりでは気がつくことができない改善点を見つけてもらえる可能性が高まります。もし自分ひとりでやらなくてはいけないときには、書き終えてから一度時間を空けて、もう一度読み直してみたり、紙に印刷してチェックしてみたりなど、確認の方法を工夫してみてください。

11. 情報をアップデートする

推敲、校正・校閲までを行い、どんなに興味を惹く記事を作成できたとしても、情報は日に日に古くなっていきます。古くなった情報をそのまま掲載し続けることは、サイト全体の信用度を低下させたり、検索エンジンからの評価を下げてしまったりと、デメリットばかりでメリットはありません。

小説やマンガなどの「作品」をサイトの中心にしている場合は別ですが、掲載した情報は必ず定期的に内容を見直し、現状と齟齬がある場合にはすぐに修正するようにします。あわせて情報を見直した(アップデートした)のはいつなのかがひと目でわかるようページ上に記載しておくことも忘れてはいけません。

サイトエンジンでも記事のアップデートを行うようにしていますが、この施策を実施したことでサイト全体のページビューがV字回復した実績があります。

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毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。

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