「人にとって良いコンテンツを作ることが最も重要」Google社員が語る、検索の未来とLLMO戦略

2025年9月5日

2025年8月末に行われたWordpressのイベント『WordCamp US 25』で、Google社員のダニー・サリバン氏が登壇し、Google検索の進化のについて語りました。

この内容はWordPressのYouTubeアカウントより見ることができるんですが、ここで語られたLLMO(大規模言語モデル最適化)に関するコメントが印象的でしたので、ご紹介します。

LLMOとは?

LLMO(Large Language Model Optimization)の略。日本語でいうと「大規模言語モデル最適化」となります。

近年、ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデル(AI)を、検索エンジンの代わりに活用する人が増えてきました。この検索結果に「自社の情報」が引用されれば、自社を知ってもらったり、流入してもらうきっかけにできますよね。

こういったAIによる検索結果に、自社の情報を掲載するための施策がLLMOです。GEO(Generative Engine Optimization)と呼ばれることもあります。

以下は関連した内容ですが、少し長いので、読みたい方だけ読んでください(サリバン氏の講演内容からの抜粋です)。

AI Overviews(AIの概要):
AI Overviewsで特に注目すべきは「クエリのファンアウト(Query Fan Out)」という概念です。ユーザーが「丘陵を含む5マイルの通勤に、赤い電動自転車」のような長く複雑なクエリを入力すると、AIはそれを複数の関連クエリに分解します。広範囲から情報を集め、まるで「賢い人間があらゆる資料を読み、要約を出す」かのように、概要を提示します。
この結果、ユーザーはさらにより複雑なクエリを実行するようになります。また、AIが引用元として提供する多様なウェブサイトを訪問し、訪問先のサイトでのエンゲージメントも高まっていることが分かっています。

AI Mode(会話型検索):
AI Modeは、ユーザーがより会話的、チャット形式で情報をやり取りできるようになるものです(日本では順次実装予定)。サリバン氏は、これを「パンケーキ」という漠然としたキーワードから、対話を通じてユーザーの真のニーズ(レシピ、コンテスト、店舗情報など)を引き出すようなものだと説明しました。
AI Modeにより、ユーザーは一度の検索で終わらず、質問を重ねて深く掘り下げることが可能になります。検索エンジンとの「会話」を通じて、より満足度の高い情報にたどり着くことができるようになります。

SEOからLLMOへ。必要なこととは?

AIにより大きく変化しているSEO界隈。じゃあ何をしていけばよいのか?というのが気になるところですよね。これまでのSEOでいいのか、LLMOに振り切ったほうがいいのか?

しかし、サリバン氏は「パニックになる必要はない」と断言します。

良いSEOは良いGEO(AEO)であり、人にとって良いコンテンツを作ることが最も重要です

具体的には、以下の点が強調されています。

●最も重要なのは、人にとってユニークで価値のあるコンテンツであること。Googleが求める特定の「裏技」や「文字数」に囚われるのではなく、「人が理解しやすいように明確に書かれているか」「ユニークで興味深い内容か」といった、人にとっての価値を追求すべき。

●訪問者が初めてサイトに来たときに、良い体験ができるかどうかが重要。SNSのような一貫したフォーマットに慣れている現代のユーザーにとって、分かりにくい、使いにくいページは離脱につながる。

●テキストだけでなく、画像や動画も積極的に活用することで、多様な検索ニーズ(マルチモーダル検索)に対応できる。

●AI Overviewsの登場により、サイトへの直接的なクリック率が低下する可能性が指摘されているのは事実。しかしGoogleはインプレッションの増加や、サイトへの訪問者のエンゲージメント向上も観測している。これは、AIがユーザーの検索意図をより深く理解し「より質の高いリードやコンバージョンにつながる訪問者を送り込んでいる」可能性があるということ。重要なのは、単なる訪問者数だけでなく、訪問の真の価値(エンゲージメントやコンバージョン)を測定すること

サイトエンジンはLLMOコンサルティングサービスも行っています

サイトエンジンではGoogle検索の最新動向とAIの進化を深く理解し、お客様のウェブサイトが新しい検索環境で最大限の成果を上げられるよう支援するLLMOサービスを提供しています。

サリバン氏の話にもあったように、弊社も「いま、すべてのリソースを割いてLLMOに飛びつく」必要はないと捉えています。

過剰にAIだけを意識した施策をするのではなく、AIの変化を予測しつつ、現時点でも数年後も両方成果が出るであろう施策をすること。

本当に今リソースを割り当てるべき施策があったときのみご支援する、ということを大切にしています。

ご興味を持っていただけた場合には、現在のご状況をしっかりヒアリングし、SEOとLLMO双方の観点で効果につながる施策をご提案していきます。最新のGoogle動向などもシェアできますので、ぜひお気軽にお声掛けくださいね。

▼LLMOコンサルティングサービス サービスページはこちら

▼WordCamp US – Danny Sullivan “How (and why!) Google Search Keeps Evolving”

金子 菜未

この記事を書いた人

金子 菜未

CONTACT

お問い合わせ