サイトエンジンブログ

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Claudeコネクタ機能で社内Wiki・SFA・CRMのデータを読みこみ、コンテンツのネタ出しをする方法

2025年8月6日

サイトエンジンは、「自己表現にテクノロジーとアイデアを」という理念のもと、新しい手法を積極的に取り入れ実験を重ねたうえで、成果が出たものをサービス化しつつ運営しています。

AIの普及により、いわゆる「コタツ記事」(ネット上の情報を集めて書いた記事)の価値は急速に低下しています。検索しなくてもAIが瞬時に意味を説明してくれる今、わざわざサイトにアクセスする必要がなくなったためです。さらに、Deep Researchのような機能を使えば、記事を大量に短時間で制作することも可能になっています。(※実際の活用は推奨しません)

SEOの観点から、「自社ならではの体験や知見をもとにしたコンテンツが重要」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そこでまず取り組みたいのが、社内にすでに蓄積されているデータの活用です。たとえば、商談メモや会議の議事録、メール・電話の履歴など、情報資産は社内に眠っているはずです。わざわざ新しい情報を集めなくても、社内データをうまく活かせば、自社の顧客向けに独自性のあるコンテンツ企画が立てられます。

今回は、Claudeを使ってConfluence(社内Wiki)とHubSpot(SFA/CRM)を連携し、コンテンツのネタを効率よく収集し、企画をスムーズにする方法を解説します。

本記事は、Claudeの有料版・Confluence・HubSpotを利用している方向けですが、NotionやGoogleドライブ、Gmailなどでも同様の仕組みを構築できる可能性があります。設定はブラウザだけで完結するので、ご自身の環境にあわせてツールを置き換えて試してみてください。

1.Claudeにコネクタを設定する

まずClaudeにログインして、左下のアイコンをクリックして、「設定」を押します。(Claudeはいずれかの有料版を契約している必要があります)

「コネクタ」をクリックします。

「コネクタを参照」をクリックします。

コネクタを選択します。ここではConfluenceが含まれているAtlassianを選択しています。AtlassianはConfluenceという社内WikiとJiraというタスク管理の両方が含まれています。

「Approve」をクリックします。

Atlassianでログインします。

「Accept」をクリックします。

2.コネクタの動作確認

Claudeに追加したコネクタに関連プロンプトを入れます。ここでは例として以下のプロンプトを使いました。

コンフルエンスでサイトエンジンの勤怠管理について調べて教えてください。

以下のような許可を求める画面が表示されますので、「常に許可する」もしくは「一度だけ許可する」をクリックします。

同じコネクタでも機能ごとに許可する必要があるようで、何度か繰り返し表示されました。

以下のように結果が正常に出力されれば、動作していることがわかります。

3.他のコネクタを追加する

さきほどと同じ方法で「設定」→「コネクタ」→「コネクタを参照」と遷移して、今度はHubSpotのコネクタを選択します。こちらのURLがコネクタです。 https://claude.ai/settings/connectors

HubSpotにログインして、以下のように進めます。

4.2つのコネクタを同時に使ってみる

上記でConfluenceとHubSpotがClaudeで使えるようになりました。2つを同時に参照するようなプロンプトをClaudeに入れてみます。ここでは以下をサンプルとして入れました。(ラクテスというのはサイトエンジンの運営しているサービス名です)

HubSpotとConfluenceのデータを参照してラクテスの営業資料の構成案をつくってください。

プロンプト入力すると以下のような表示がでるので、また同じように「常に許可する」「一度だけ許可」のいずれかを押します。

以下のようにアウトプットが表示されました。ConfluenceとHubSpotに含まれている議事録などの内容が参照されていることが右側の赤枠の部分でわかります。

同様に以下のプロンプトを入れてみました。

HubSpotの商談議事録と、Confluenceの社内会議の議事録を調べて、ラクテスに関するよくある質問を書き出してください。

これによって以下の出力が表示されました。画像には全部含めていませんが30程度の質問とその回答が出力されており、そのなかにはまだコンテンツ化していないものも含まれていました。

このように、過去に蓄積した自社のデータからコンテンツ案を作ることができました。議事録をデータ元の例として取りあげましたが、カスタマーサポートのメールや電話のやり取りの履歴、Webサイトの行動データなど、他のデータも何らかのシステムに貯めていれば似たようなことができるはずです。

プロンプト例

最後に、いくつか思い浮かんだプロンプトの例です。

  • [ツール名]の商談データとメールのやり取りから、成約した商談と、失注した商談の違いを分析してください
  • [製品名]の顧客が抱える課題をリストアップして、出現頻度を[ツール名]のデータから分析してください。
  • 送ったあとに商談が発生しているメールでどのような情報提供していたかを[ツール名]のデータから教えてください。
  • [会社名]向けの提案資料をつくってください。
  • [会社名]にメールで送るのに向いているコンテンツ企画してください。

一度コネクタを設定しておくと便利なので、ぜひ試してみてください。

AIが発達したときにどうコンテンツを作るか

ここからは余談です。

すでにAIを活用して世界中の論文や統計レポートを収集し、読み応えのある記事を1~2時間で作成できる人もいるのではないでしょうか。将来AIの文章力がさらに向上し、プロンプトが簡単なもので済み、調査速度が向上すれば、コタツ記事の価値はますます下がるはずです。

今後AIが文章を書くのが上手くなっていくと、人が書かないと読み応えがある記事は作れないといったことはなくなります。そもそも人が書いたものと区別がつかなくなるはずです。なので、材料が同じなら文章力や表現力に秀でている人以外は、文章品質はAIに負ける未来はすぐ来ると考えます。私は文章が苦手なので、もうAIのほうが良い文章を書くという自覚があり、将来書き続けることはないとすでに自分に見切りをつけています。(ここまでお読みいただいた方はわかるかと思いますが、まだ自分で書いてAIに改善してもらっています⋯)自分で書くのは、すごく上手い一部のライターさんと、個性や文脈でファンに読んでもらうインフルエンサーさんくらいかなと想像していますがどうなるのでしょうかね。

では人に仕事は何も残らないかというと、AIに思いつかなさそうな企画・ネタを現実世界で探したり、日々の業務の中でAIに情報が自然と貯まるような仕組みをつくるなど、人間に残る仕事もあると思います。リアルも含めてデータが集まるような業務フローを設計して、いまから備えておくとAIにマーケティングを任せやすくはずです。早めに着手するほど良いと思うので、粛々と整備していきます。

以下のように机から離れて、お客様と話したり製品が使われてる場に行ったりして、領域の知見を深めて、AIに代替されないような仕事をしたいものです。

毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。 <a href="https://twitter.com/tomohiko11">Twitter</a>

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