サイトエンジンブログ

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AIと検索エンジンのシェア・成長率のデータを見られるページのまとめ

2025年10月9日

サイトエンジンでは、GEO/LLMOに関連したサービスを作っています。一方で、この記事を書いている2025年10月現在では、ほとんどの会社で他の施策にリソースを投下したほうがよいと考えています。どうしても直近でGEO/LLMOに取り組む際には、無駄になってしまうことを避けるために、現在も価値があり、かつ将来AIがさらに普及したときにも価値が減らないような施策を行うべきです。

ただ、ユーザーの行動をAIがどう変えているのか、現状を定期的に確認するのは大切です。

この記事では検索エンジンとAIのシェアの移り変わりについて、参考になりそうなデータを出しているサイトや記事を紹介します。なお、いずれも海外の利用状況をデータ化したものですので、日本国内ではまったく異なるデータになっているかと思います。とはいえ、大きなトレンドとしては日本でも似たような状況になるはずなので、将来を予測するうえで参考になると考えます。

AhrefsによるAIとGoogleのシェア統計(毎月更新)

AI vs Search Traffic Analysis 2025 | Ahrefs

Ahrefsでは、60,347のウェブサイトを基に、各ソースのトラフィックシェアと月ごとの成長率を比較しています。2025年1月から9月までのデータが掲載されていて、毎月前月までのデータが反映されます。

  • Googleは、41.35%のトラフィックシェアを維持しており、依然として大部分を占めているが、2025年9月に対前月比で4.3%の減少を記録した
  • AI経由のトラフィックシェアはまだ非常に小さく、ChatGPTが0.24%、Perplexityが0.03%、Geminiが0.01%、Copilotが0.01%
  • 各AIプラットフォームの成長率は非常に高い。前月比でGemini: 34.9%、Perplexity: 24.4%、ChatGPT: 11.4%、Claude: 8.2%の成長だった
  • サイト種別ごとのGoogleのシェアでは、食品・飲料 (67.5%)、法律・政府 (62.4%)などが高い。一方で、科学 (26.2%)やゲーム(32.3%)はGoogleのシェアが低い。

それぞれのデータは以下のように視覚的にわかるようになっています。

画像は上記URLより引用

サイト種別ごとの経路のデータはそれぞれのサイトのユーザーがよく検索しそうなキーワードでGoogleの検索結果、AI Mode、AI Overviews(AIO)などでどのような機能や要素が表示されているかを見ると違いがわかりやすいです。

このレポートには、ほかにも地域ごとの差や各経路の成長率なども記載されていて参考になります。

SparkToroとDatosによるAIツールと検索の利用状況レポート(2025年4月~6月のデータ)

以下2つはデータへの考察記事と、その元データをまとめたホワイトペーパーです。SEMrushの関連会社であるDatos社が世界中の数千万人規模のアクティブなデスクトップユーザーから収集したユーザー行動のクリックストリームデータを集計したものです。SparkToroのRand Fishkinさんが考察しています。(SEOのツールやメディアで有名なMozの創業者の方です)

2024年4月から2025年6月までの期間における、米国およびヨーロッパ(EUおよび英国)のユーザー行動が分析されています。四半期ごとにデータが出ていて、更新分は都度Reports | Datosで確認できます。いま2025年の第2四半期までのデータです。

New Research: 20% of Americans use AI tools 10X+/month, but growth is slowing and traditional search hasn’t dipped – SparkToro
State of Search Q2 2025: Behaviors, Trends, and Clicks Across the US & Europe | Datos(ダウンロードにフォーム入力が必要です)

このレポートでは、以下のような事実が紹介されています。

  • EU/英国では、AIツールの採用が1年間でほぼ3倍になった(2024年4月の0.26%から2025年4月までに0.78%に上昇)。米国では2倍以上に増加した(0.24%から0.64%)
  • 米国人の20%以上がAIツールのヘビーユーザーであり、月に10回以上利用している。ヘビーユーザーの率は2023年1月の3%から、2025年6月には21%に急速に成長した
  • 現時点ではAIツールの規模は従来の検索に比べてごくわずかである(プロンプトの約8分の1のみが検索のような意図を持つ)。一方で、現在の成長軌道(約1〜2年ごとに倍増)を維持すれば、6〜10年後には従来の検索エンジンに匹敵する可能性を秘めている
  • 2025年第2四半期には、特に米国でゼロクリック行動の顕著な増加が見られた。これは、2024年5月のAI Overviews(AIO)の展開後、第1四半期にはほとんど見られなかった影響が、第2四半期になって徐々に現れ始めたことを示唆している

ダウンロードしないと閲覧できないようになっているので、詳細な数字は書きませんが、個人的には以下の割合の推移がグラフになっているのがとても参考になりました。

  • Google上に留まる、またはGoogleが所有する他のサービス(地図、天気、ホテルなど)へ移動する
  • Google以外のサイト(オーガニック結果)をクリックする
  • 広告(有料結果)をクリックする
  • 再検索を行う
  • クリックを伴わずに検索を終える

WebFXによる10億以上のセッションを分析したAI経由の流入比率データ(2024年1月~2025年6月)

セッション10億以上、1,500社以上のデータを元に統計が取られています。2024年1月から2025年6月の間のデータです。

AI Traffic Increases 15x Since Jan 2024: What 1+ Billion Sessions Reveal

AIトラフィックは、2024年1月以降、2025年6月までに1367%の伸びを見せている一方で、現時点では生成AIは全ウェブサイトトラフィックの1%未満を占めるに過ぎず、トラフィックの大部分はダイレクト(32.71%)やオーガニック検索(31.09%)といった従来のチャネルが占めているようなことが示されています。

画像は上記URLより引用

Ahrefsが出しているレポートのAI経由のアクセスの比率と、このレポートの生成AI経由の比率が近しいデータになっていました。

なおこちらのレポートでは一歩踏み込んで成約率についても言及しています。オーガニック流入と比較したときにAI経由での流入は成約率が23%高いという調査結果となっていました。

その他参考になりそうな箇所です。

  • 生成AI経由の流入の成長率が高い業界は、小売店(47.11%)、レジャー・ホスピタリティ (32.52%)、ヘルスケア (30.60%)、Eコマース (30.28%)、建設 (29.19%)など。カッコ内は月間成長率
  • AIトラフィックは前例のない速さで増加しており、オーガニック検索やダイレクトトラフィックといった既存の情報源よりも165倍速く成長している
  • 生成AI経由のトラフィックで割合が高いのは、ChatGPT (60.6%)、Perplexity (26.2%)、Google Gemini (9.8%)、Microsoft Copilot (3.4%)

SE Rankingによる10,000キーワード分のAI モードの出力結果(2025年6月)

SE Rankingが2025年6月20日にアメリカで10,000キーワードの検索結果を分析したデータです。

AI Mode Research: Sources, Volatility, & Differences between AIO and Organic Search

  • 10,000キーワードのうち、AI モードが表示されたのは9,734件、122,617件のリンク(ソース)が表示された
  • 固定された10,000キーワードのセットを同じ日に3回実行したところ、9,451キーワードで3回ともAI モードが表示された
  • AI Overviews(AIO)とAI モードの両方が出力されたキーワードは4,281
  • AI モードでは平均12.6のURL(ソース)が、AIOでは平均13.3 URLが引用されていた
  • AI モードのソースとオーガニック検索トップ10との正確なURLレベルでの平均重複率はわずか14%、ドメインレベルでも平均重複率は21.9%
  • AI モードとAIOの応答の重複も限定的で、URLレベルでの平均重複は10.7%、ドメインレベルでの平均重複は16%
  • www.google.comが、すべての引用の5.7%を占め、最も多く引用されていた
  • Googleのリンクのうち97.9%はGoogle Mapsのビジネスプロフィールを指していた。すべての回答の9.2%に表示された

上記の他にもAI モードについて参考になるデータが記載されていました。

調査対象の10,000キーワードは開示されていないのですが、キーワードによって最後のGoogle Mapsの引用の部分の数字は大きく変わるので、Google Mapsの表示確率の数値はあまり参考にはならないかもしれません。ただ、地域に関連したワードが含まれていなくても勝手にパーソナライズしてGoogle Mapsの情報を入れてくるというのは想像がつきます。

この会社は他にも様々な調査をしており、よく更新されています。以下から閲覧できます。
Studies & Surveys | SEO Blog | Marketing and Business Insights

まとめ

AI経由の1%以下というデータを出しているところが多かったです。急ぎでいますぐにGEOやLLMOに対応する必要はないことがよくわかります。ただ、あわせてAIが急成長している様子もデータで示されているので、どこかで対応しないといけないです。

この手のデータは少し時間が経過するだけでまったく違う結果になってしまうので、定期的に似た記事やレポートを見て、おおまかな変化を追っていくのがよいと考えています。また、AI モードは日本と海外でだいぶ結果が違うので、海外の出力結果を見て分析することは、少し先の未来を予測するのに役立つのではないかと思います。

また似たような統計レポートを記載しているページがあれば紹介するようにします。

毛塚 智彦

この記事を書いた人

毛塚 智彦

2006年からデジタルマーケティングを開始し、2008年にサイトエンジンを創業しました。 SEO、コンテンツマーケティングが得意です。立ち上げた直後のメディアから、数千万PVあるようなポータルサイト・ECサイトまで、幅広く関与してきました。 業務ではマニュアル作成などの仕組みづくり、事業立ち上げ、採用などを担当しています。

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